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2023年9月28日木曜日

記事。

自社製品中で最も嫌いなMETHODのADVANCEワックス。
このADVANCEワックスだけはBOREDで唯一ハンドメイドにて生産しているんですが、もう毎回生産する度にヤケドとストレスとの戦いでね。
それもこれも、以前某老舗フィッシングメーカーから発売されている通称フェルールワックスを使ってみた際に、ガッカリするほどに何も考えられていないなと感じましてね。
つまり未塗装カーボン同士の固着防止としては問題無く機能するんですけど、真夏なんかだとフェルールワックス自体が暑さで軟化してジョイントがすぐに緩んでしまったり回ってしまう事が多々。
これが非常にストレスで。
しかも自分のメインロッド達はMonster Kissのパックロッドなので尚更。
ならば作ってしまえと言う事で色々と試作を繰り返して誕生したのがADVANCEワックス。
未塗装カーボン同士の固着防止は当然ながら緩みや回りも防止させる様に極端なほど硬度と粘性を上げてみたんです。
これがかなり優秀と言う事になったんですが、弱点は低気温な真冬の寒いシーズン。
真冬になると素材のパラフィン系ワックスが硬化し易くなりましてね、容器の底を回しても中々肝心の中身が出そうにないと。
無理矢理回そうとすると容器が破損しますし。
なのでその際は室内のヒーターとか車のヒーターとか、またはズボンのポケットなどに入れて事前にADVANCEワックスを少し暖めておいてくださいと言う事でして。
こればかりは中々解決策が見つからなくてゴメンナサイ。
で、ハンドメイドなので毎回パラフィン系ワックスなど4種類の材料を独自配合でブレンドするんですが、毎回デジタルスケールの上で正確に計ってから大きなアルミカップへ移し、電熱ヒーターで温めながら材料を溶かして行きます。
イメージはローソク。
これが手につくとメチャクチャ熱いんです、一人で「アウッ」て言っちゃうほど。
その溶けた材料を今度は小型のステンレスケトルへ移し、熱い内に1本1本手作業で容器の9分目まで充填して行きます。
ナゼ9分目かと言うと材料が冷えて行くに連れ「ヒケ」と言って材料自体の体積が縮んでいくんですね。
9分目まで充填したものが8分目くらいまでヒケちゃうんです。
なので、最初の充填が冷えてから再度10分目を少し超えるくらい慎重に充填して行きます。
すると10分目を少し超えていたはずなのに、ヒケにより大体10分目位に収まると言う仕組み。
これがもう超メンドクサクてね。
しかもこの作業に至る前に容器の下準備がありまして、先ずは仕入れた海外製?の容器を1個1個手で回して不良が無いかチェックします。
50本中1本位の高確率で不具合が出るので、それは当然ながらソッコーで破棄。
もうムカつくんで足で踏んで破壊してから破棄。
その後で冷静さを取り戻してから容器の中へシリコーンスプレーを吹くんですが、これは材料が容器内に固着し難くなる為の事前処理。
そのシリコーンスプレーを吹いた容器を再度1個1個手作で回して改めて異常が無いかチェックします。
そこからようやく熱々の材料を充填する事になると。
そして上記の様に手間をかけながら充填し完成した物を最終チェックとして1個1個手で回して中身がキチンと出るかどうか確認するんです。
なので製品として世に出ている物に100%不良品は無いと言う自信。
だって1個1個手で回しながら確認している作業を最初、途中、最後と3回も行っているんですからね、これで不良が出たとすれば輸送中の衝撃とか店頭での落下とか、何かしら納品後の外的な要因が無ければ起こるはずがないと。
だけど年に数回はクレームのメールが届くんですが、恐らくその大多数はお客さんがリップクリームの如く勢い良く容器の底を回しちゃったんじゃないかと思われます。
再度言いますとADVANCEワックスは硬度と粘性を極端に上げてあるので、真冬は容器全体を事前に暖めてからゆっくり容器の底を回してみてください。
直火はダメですが。
逆に真冬以外のシーズンは殆ど問題無く使えると思うんですけど、いずれにしても容器の底は勢い良く回さないでくださいね。
別にゆっくり回しても問題は無いでしょうし。
これらはBORED STOREの製品ページにも注意書きしてありますので、それらを必ず読んだ上で使って頂ければと思います。
そして以前実際にユーザーからメールがあった件として、ロッドのジョイント部にマンベンナク塗ってしまったら今度は別の意味で取れなくなってしまったと言う。
だからADVANCEワックスは硬度と粘性を極端に上げてあるので、塗り過ぎてしまうと逆に取れなくなる場合もあり得ます。
要するに固着では無くてベタベタな粘性が強過ぎて取れなくなってしまうと言う事。
もうこれはホントに線一本でOKです。
ジョイント部に一塗りしてもらえれば確実に効果は出ますので、クレヨンで1本線を書くように塗ってもらえれば十分です。
または少し指で薄く全体へ塗り広げるとか。
これだけで動きませんし固着も起こしません。
だから自分のADVANCEワックスも3年目?に突入しまして、毎回使っているのに全然減っていかないんです。
そんな訳で、作るのがメンドクサイ、事前の作業や確認が多い、容器の入荷が不安定、普通に熱い、使っても減らない、なんなら余り売れなくて良い。
こんなADVANCEワックスをゼヒ。

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