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2023年4月6日木曜日

記事。

2023年BOREDのMETHODで掲げたテーマはズバリ「防錆」。
このDARKSIDEBOREDBLOGでも度々お伝えして来ました様に、現在BOREDのMETHODオイルでBALBOAオイルとNEMEAオイルに添加使用している防錆剤はMETHODオリジナルで製造した物を使用しています。
これはBORED STOREの成分表記上では耐水防錆添加剤と記載していますが、淡水はもちろん海水にも完全対応している防錆剤として十分に納得行く物が出来上がったと自負しています。
エステル系化学合成油の分子間結合により金属に対しては油膜が強靭に保持される特性と併せ、耐水防錆添加剤の持つ水分を押し出す様に排除する方法で、仮に一旦乳化した場合でも時間の経過と共に乳化が改善され油分と分離する水置変換性を応用した防錆剤となります。
これはオイルの中に添加剤として溶け込んでいるので、例え極薄油膜であっても油膜さえ確認出来れば効果は続くと言う事です。
で、一方困った状態として画像の様なフィッシングリールのボディ内に付着した錆や塩。
この画像はTwitterフォロワーでリールメンテナンス業の@lineslackerfamより無断拝借しましたが。
これはカルカッタ、リョウガ、ステラなどの様に金属ボディであれば上記のとおりNEMEAオイルやMETHODグリスなどを薄く塗布する事である程度の防錆効果(本来の用途とは異なりますが)が得られますが、例えば現在フィッシングリールの多くに採用されている樹脂ボディ(CI4+やZIONなどCFRPも含む)においてはオイルやグリスを塗布しても金属では無い樹脂にとは分子間結合が出来ない為に効果が半減してしまいます。
なのでこの樹脂も金属も同時に広い範囲を防錆したいとなると別のメソッドが必要になります。
一般的にはウレタン塗料などで塗装してしまえば良いのですが、設備、作業、硬化など当日中にシッカリと仕上げるには時間も労力も多過ぎる上に、イザ剥がしたいと言う場合には金属では無い事から剥離剤が使用出来ない為に塗装するよりも膨大な労力を必要とします。
となると水道水や市販洗剤で簡単に剥がせて金属をメインに樹脂にも使用出来る防錆剤は無いか?と考えました。
それは樹脂ボディへは溶剤をなるべく使いたくないからです。
でも業務用として調べたり付き合いのある材料業者へ確認していたところ、どれも基本的には保管や輸送における湿度対策としての防錆剤であって、またはゴムの様に薄い軟質被膜を生成する様な物ばかり。
それ以外にはペトロタラムと言う所謂ワセリンの精製途中を応用したペースト状の防錆剤もありますが、これはグリスの様でグリスでは無い為にオイルやグリスと混ざってしまうと問題が生じます。
これらでは意味が無い。
ならちょっと試作してみましょうか?と言う事でBOREDで新たな防錆剤を試作しています。
圧倒的な防錆性が得られながら溶剤や剥離剤を使用しなくても剥がす事が出来る被膜型の防錆剤であれば、フィッシングリール内の複雑な形状でも穴や溝や凹凸などへも使用する事が出来ます。
そして肝心な事として海水が浸入した蒸発後に塩の結晶が付着しても、それは被膜の上に出来た結晶であってボディ本体には全く影響していないと言う事。
これはオイルやグリスでは実現出来ない事となり、塗装や表面処理の様に面倒な設備や作業を伴わなくて済むと言う事です。
幸いフィッシングリールのボディ内は摩擦や摺動する訳では無いので、この方法での処理としては非常に簡単なものになります。
今イメージしているのは、フィッシングリールを全バラシしてから一般的なパーツクリーナーで脱脂洗浄し、乾燥後にこの防錆剤を筆などで塗布してから1時間以内?を目指して放置乾燥させると特殊な防錆被膜が生成されていると言うもの。
その後は普通にベアリングやギアなどを組み付けて行くだけでボディ側には強力な防錆性が備わっていると。
上記の作業はリールメンテナンス業では毎回行われている事であって、個人ユーザーでも自身で分解洗浄してメンテナンスを行っている人なら簡単に出来る話です。
とにかくオイルやグリスの様な油脂では無い、ウレタンやアクリルの様な塗料でも無い、メッキやアルマイトなどの表面処理でも無い、全く新しい被膜生成メソッドとして誰も簡単に処理出来る物を目指しています。
淡水や汽水や海水でのショアはもちろんですが、ガッツリと塩分濃度の高い海上で使用するオフショアでも負けない防錆性と被膜。
需要ありますよね?

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