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2023年4月11日火曜日

記事。

前回に続き今回はサイクルパーツでの使用方法について。
もうサイクルパーツ全体の中で一番厄介な錆の発生源と言えば誰もが口を揃えてフレームと言うのでは?と言う程に画像で赤丸をしたBBチューブ、ヘッドチューブ、シートチューブ、そしてフォークのコラムがもうダントツではないかと。
特に上から下へバーチカルに水が流れ溜まるのはBBチューブ。
ヘッドチューブからもシートチューブからも流れて来るので、上手く水抜き穴などの加工がされていない場合には相当酷い錆が発生します。
画像の様なアルミフレームは良心的な?メーカーの場合だと白色アルマイト(透明アルマイト)した上で更に塗装されていたり、またはフレームの内側だけアロジンを処理されている物が多くなりましたが、未だに未処理な状態のメーカーも多く存在しています。
もちろんアルミ錆はスチール系の赤錆とは違い白錆なので目立たない事も理由にあるかと思いますが、基本的には腐食なので放置していれば虫食い状態から凹凸が出来る事で強度にも影響して来るのは当然です。
なので例えアルマイトやアロジンが処理されていても画像の赤丸だけは更に念を押して防錆処理や定期的なクリーニングとグリスアップを行う事がベストではあります。
その一方で致命的なのはクロモリフレームに代表されるスチール系。
これはズバリ鋼のパイプを使用したフレームなので、溶接によりビルドされた後でドブ浸けして防錆処理を行っていない場合や、表面に硬質クロムメッキだけを行っている場合は確実にパイプの内側は無防備な状態になっています。
2014年以前にBOREDがメカニックとして車体を組み上げる場合には、必ず市販ワックス防錆スプレーをシリコンチューブに取り付けた特注ノズルから噴射してパイプの内側全てに防錆処理を行っていましたが、この防錆スプレーの寿命はメーカーオフィシャルでは塩水噴霧試験で480時間ほど。
ま、中々優秀でした。
でもやはりBBチューブなど誰が見ても水が溜まっている状態では防錆効果が認められない場合もありました。
これは自転車メカニックあるあるですが、BBを取り外した途端に茶色く錆びた水がドボドボと出て来ると言う程でして。
ざっと換算してコップ2杯分くらい。
これにはいくら優秀なワックス防錆スプレーでも全く意味がありませんでした。
それから約10年経過した現在。
BOREDのMETHOD新製品として連日お伝えしている試作中の防錆コーティング剤は塩水噴霧試験で1920時間です。
しかもこれは塗膜が0.1mm以下の薄い状態で。
厚塗りすれば単純に2倍以上の寿命が得られます。
但し、当然ながら用途として水中で防錆する為の物では無く、あくまでも塩水でも淡水でも湿度でもそれら水分の影響を受ける箇所の防錆と言う事なのでお間違い無い様に。
また話を元に戻しますが、この防錆コーティング剤をその他サイクルパーツで使用するに当り、フレームの次に需要が多いとされるのがフォークコラムやシートチューブ。
誰もが自身のチャリをバラした際に目にしていると思われる既存フォークを抜くとコラムの途中が錆びていたりステム取り付け部分が錆びていたりシートポストが錆びにより固着している経験。
これって本来はコラムもシートチューブもキッチリとオイルやグリスを塗布するなどして簡易的にでも防錆処理してやるべきなんですが、実際には多くのショップでポスト側にはグリスを塗布してもシートチューブ内には塗布していなかったり。
長さ50cm以上もあるシートチューブ内にグリスを塗布する方法や工具が無いから行わないのでしょうが、少し工夫すれば特別な工具を使わなくても出来るんですけどね。
BOREDの場合は上記で記載したオリジナルの方法で処理していましたが、もし皆さんが手元にある物を使うなら長さ70cmの棒、この先端にスポンジとかウエスを輪ゴムなどで巻き付けて、そこにオイルやグリスを十分染み込ませてからシートチューブの奥までキッチリと油分を行き渡らせるとか。
これをやっておくだけで全然変わって来ますからね。
なので今回の防錆コーティング剤を使用する場合は、事前に錆や油をパーツクリーナーでキレイに脱脂洗浄して、乾燥後に防錆コーティング剤を適量チューブ内へ流し込んでしまうとか、または上記の様な棒とスポンジで簡易治具を作れば安価で簡単に処理する事が出来ますね。
なのでクロモリフレームの場合には上記以外のチェーンステイ、トップチューブ、ダウンチューブまで処理しておく事で確実に強力な防錆処理を行えると言う事で、色々と工夫すれば各パーツのオイルやグリスが付着しない部分全てに処理する事が出来るでしょう。
誤解があるとイケナイので言いますが、オイルやグリスが付着している部分には防錆コーティング剤を塗布しないでください。
特に大きな問題にはならないかと思いますが、単にベアリングやギアなどの潤滑側に問題が出て来て正常な動きにならないかもしれませんので。
オイルとグリスの様な油脂でディフェンス出来ない部分とか、頻繁に錆びるけど余り触らない様なボルトの頭やペダルの軸やアクスルのナットなんかにも有効ですね。
一から組めば何十万もするスポーツサイクル(この言い方嫌いだけど)なので少しでも長く綺麗な状態を維持させておく事が強度や精度にも関係して来ると言う事を忘れずに。
と言う事で毎日通常業務が終ってからテストに次ぐテストを行っています。

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