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2024年4月23日火曜日

記事。

BOREDは2003年にガレージメーカーとしてオリジナルオイルとチューンドベアリングを製造販売する事からスタートしました。
当初はサイクル用のチェーンやベアリングに使用するオイル、サイクル用のハブなどに使用するベアリングとしての展開。
その設立時点から現在まで一貫してオイルやグリスには「固形潤滑剤」は一切使用しないをポリシーとしています。
つまりベースオイルに配合される添加剤の事なんですが。
固形潤滑剤(固体潤滑剤とも)は所謂PTFEとして知られるフッ素樹脂が代表的で、有名どころで言えばフライパンなどに知られているテフロン加工が正にソレです。
ま、テフロンと言うのは開発元のデュポン社の商標なんですけど、ソニー社の商標であるウォークマン的な使われ方と同じです。
で、そのPTFEをはじめ他にも二硫化モリブデンや硫化チタンなど、ザックリ言うと超微細に砕いた固形物が配合されていますと言う事なんですが、これらの事を「マイクロベアリング」なんて言い方をするメーカーもあったりします。
そうすると皆さんの頭の中では「超小さな丸いベアリングがいっぱい入っているんだ」と想像するじゃないですか?
んな事は無いんですけどね。
実際には固形潤滑剤と書かれると上記の様にイメージしてしまいがちですが、多くの使われ方はオイルと金属表面の間にある固形物と言う事であって、その大きな効果としてはオイルと金属面を直接接触させない事となります。
なので極圧添加剤とか摩耗調整剤と呼ばれる添加剤に近い効果であって、業界ではEP剤やFM剤と呼ばれる事が多い摩擦や荷重に対して油切れを起こし難くする添加剤です。
PTEFもその極圧添加剤とか摩耗調整剤としての効果は結構あって、そりゃ物理的に固形物がオイルと金属の間に挟まっていれば効果はあります。
でもそれってオイルと金属の間にミッチリと隙間なく埋まってくれるの?と言われたら全然違います。
あくまでも部分的になんです。
なのでそれら固形添加剤をオイル内に均一に居られる様にする為に分散剤と言う本来オイルの性能を向上させるのとは別の意味の添加剤も配合されます。
それでも実際には全てが常に分散されていないので、使用前に缶や容器を良く振るなんて事をする必要があって。
動いていなければ沈殿もします。
そもそも固形潤滑剤は油溶性がない物質なのでオイル内に溶解する事はありません。
で、これからは想像し易い話になるんですが、液体であるオイルの中に配合されている固形潤滑剤、その液体であるオイルは経年により必ず揮発します。
そうすると残ったブツは固形潤滑剤のみになりますね。
オイルの中でフワフワと分散している状態だから機能するのであって、もしオイルが揮発して無くなってしまう又は極端に少なくなってしまったら残る固形潤滑剤は単なる異物のみ。
もはや砂と同じですよね。
これって有意義ですか?と言う事。
しかも固形潤滑剤の中で知名度の高いPTFEにおいては原材料価格が非常に高価なんです。
ユーザーの全てが定期的に分解洗浄して注油し直してと言う事であれば問題は無いんですが、そうでないユーザーも居る訳ですよ、それは「高級なオイルを差してるから大丈夫」と安心してしまう場合もあるから。
これは逆の意味になってしまう恐れがあると言う事。
なのでBOREDのMETHODオイル&グリスでは過去から一度も固形潤滑剤は使用していません。
面倒だし紛らわしいし高いし。
短期的に効果があったとしてもその効果が桁違いにズバ抜けているなら話は別ですが、そうでないなら敢えて使う意味があるのか?と疑問が生じる部分もありますしね。
なのでBOREDのMETHODオイルで使用している添加剤は冒頭の方で書いたEP剤やFM剤を使用していて、それらは全て有機化合物となりまして、要するに求める成分を化学的に合成して作られた油溶性の液体なのでオイル内に溶解します。
これなら無駄な分散剤などを添加する必要がありません。
オイルを料理に例えれば添加剤は調味料と同じと言って来た様に、METHODで使用している全ての添加剤はショウユやミリンな訳で、決してコショーやゴマの様にタレに溶けない物ではないと言う事です。
こーゆー話はもっと話したいんですけどテキストにするのが大変で。

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