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2024年4月3日水曜日

記事。

これ何だか分かります?
個人的にも汎用のスプレーオイルとしては良いんじゃないですか?と思っている天下のワコーズが誇るスプレーオイルのラスペネです。
でもワコーズのスプレーオイルとしてはメンテルーブの方が好きなんですけどね。
そのラスペネを別容器へ入れてから蓋をせずに1週間ほどオイル中に含まれるガスを抜き、ある程度ガスが抜けたかな?と言う時点から画像の状態で室内保管しておいた物なんですが、分かるかな?粘度が物凄く上がっている為に横にした容器内にオイルが広がらずに一定で留まっているんです。
BOREDのMETHODオイルで例えるとNEMEAオイル位まで粘度が高粘度化しています。
これ昨年の冬辺りに入れたので大体3~4ヶ月くらい経過した状態です、とある検証対象として使う為に別容器へ入れておいたんです。
さて、これはラスペネだけの話では無くてスプレーオイル全般は容器内部に充填されたガスによりオイルを噴射する仕組みなのはご承知のとおりなんですが、スプレー噴射直後はポタポタと垂れるほどにシャバシャバな低粘度のスプレーオイルも、オイル中にも含まれるガスが徐々に抜けて行き経年すると粘度が数倍にも上がる事があります。
ついでに言うとガスだけの話ではなくオイル自体の酸化や揮発による高粘度化や、噴射し易くする為に一時的に低粘度化させる必要もあるので溶剤が配合されていたりもします。
これを例えばフィッシングリールのスプールベアリングに使用してワンシーズンほどメンテナンスしなかったとすると結果はご想像どおり。
最初の内は低粘度なのでレスポンス良くスムーズに回転していたスプールも、徐々にその効果が失われて来ていずれ明らかに回転が落ちて来る結果になります。
では最初からスプレーオイルでは無いBOREDのMETHODオイルではどうか?と言うと、上記のラスペネ以前から同じ容器に入れてある全てのラインナップは粘度変化がありません。
厳密に言えば完全密封されている訳ではないので粘度変化は起きているはずですが、実際に目視では変わっていないと言う事で、つまり使用したところで支障が無いのは当然。
BORED STOREで販売しているこのNBの容器はポリエチレンの容器にシリコンキャップが付いており、完全密封は出来ませんがソレナリに実用する上での問題はありません。
で、このラスペネの成分とは鉱物油にフッ素が配合されたオイルで、成分にはミネラルスピリットも配合されています。
ミネラルスピリットとは溶剤の一種です。
これが経年により揮発し粘度を高粘度化させている大きな原因の一つと思われます。
ラスペネの優れた点は水置変換性を用いた防錆性と初期潤滑性にありますが、自動車や自転車などの汎用メンテナンスに使用するにはコストも安く済む事で便利なスプレーオイルであり、でも何かしらの効果や性能を追求しているホビー用途には果たして適正なのか?と言うと「?」となりますね。
実績も実用も多くスプレーオイルとしては高価な部類に入るラスペネではありますが、恐らくその価格の大半はフッ素の価格であって、主成分においては記載どおり鉱物油と溶剤と言う事からも安価なはずです。
なのでBOREDではサイクルメカニック時代からラスペネよりもメンテルーブを使う事が多く、このメンテルーブは化学合成油を使用していると言う事で価格相応と納得の上で使用していました。
とは言え天下のワコーズ製品はどれも優れた製品が多く、以前付き合いのある頃は「中の人」とも色々と成分や材料について話をしたもんですが、ホビー用途でのミニチュアベアリングやマイクロベアリングに適正か?と言われると正直言って不向きですとなってしまいます。
やはりホビー用途はターゲット毎に専門として追求する事が適正であって、だからこそベースオイルは安価な鉱物油よりも耐久と寿命に優れた化学合成油が適正だとも言えるでしょう。
手元にあったからと言ってオイルなら何でもいいやで済ませてしまうとこーゆー事もありますのでと言う一例でした。

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