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2024年4月19日金曜日

記事。

BOREDとして初めてウレア系グリスを使用した画像の5グリス製品をラインナップしている現在、その大きな特徴は一般的なリチウム系グリスと比較して約5倍の潤滑寿命を誇る耐久性と水中においても形状変化が起き難い耐水性に加え使用温度範囲が広い事にあります。
簡単に言えば一般的なリチウム系グリスよりも高性能なグリスと言う事です。
お蔭様で多くのユーザーに支持されている実績も自負もあり、その理由には上記の性能をはじめ低粘度THETA、中粘度ALPHA、高粘度DELTA、そして特殊な粘性を加えた上で粘度も極端化させてある低粘度高粘着のOMEGAと高粘度高粘着のSIGMA、これらの豊富なラインナップが存在しているからの事かと思います。
これら5グリス製品同士を付け足したり混ぜ合わせたりしてお好みの粘度や粘性に調整可能なBOREDが元祖となる混合カスタムにも対応し、ユーザーの「もう少し」に対応させる事が出来るグリスとして認知頂けているかなと。
そのグリスも一番最初に発売したALPHA、次いでDELTAとTHETAと順次ラインナップ化してから既にある程度の年月も経過した事で、何かアップグレードまたはモデルチェンジする必要があるか?と検討を始めていますが、今のところ特に不満もなく安定している状況でもあり、それは販売数や出荷数からも見て取れます。
がっ!だからと言って現状に甘え余裕をかましている訳ではなくて、既にアップグレードするならコレと言う条件を加えサンプルテストを行っています。
と言うか試作の段階で難航していると言うのが本当のところ。
現在のTHETA、ALPHA、DELTAそしてOMEGA、SIGMAの5製品には大きく配合されていない成分を新たに加えた物を試作しているのですが、この試作段階で温度を加えると状態が変化してしまい、むしろ一部を酸化させてしまう状態?となっています。
純粋にウレア増ちょう剤との反応なのか?それとも配合しているベースオイルとの反応なのか?または既に配合済の添加剤との反応なのか?いや、更にこれらの複合条件?それとも配合順序の問題?などなど、考えられる原因を全て試作して確認している段階。
でも温度を加えずに単純にその添加剤成分を常温で配合させると問題は起きず、求める効果の結果としても良いんじゃないの?と言える状況でもあり、そのサンプルテストはビッグベイトで使うリールで昨年冬から行っています。
実際に最終的に仕上がった物へ常温配合させる事も考えてはいますが、そうすると経年や気温により離油が激しくなってしまう恐れもあり、出来れば材料段階から増ちょう剤へ加えておきたいところ。
すると温度を加える必要が出て来るんです。
と言うマニアックな話で恐縮です。
重複しますがBOREDのMETHOD製品は常に現状維持では無くて、気になる点が出てくればアップグレードやモデルチェンジを意識していると言う事。
これは先日もオイルについて書きましたが。
そして直ぐに試作を行ってサンプルテストが行えるのは完全に自社生産の環境にあるから。
設計も開発も試作も思い立てば直ぐに実行出来る材料は常に手元にあり、また製品と同一の最終サンプルにおいては提携業者へ出向けばその日に試作も可能。
もちろん今回のチャレンジも失敗に終わる場合はありますが、油脂業界の材料や添加剤も常に新たな物がアナウンスされて来ますし、いずれ再びチャレンジする事で実現可能な場合もある。
取り敢えず今はサンプル生産時に不具合が出る原因の解明、これさえ見つければ解決方法は割とすぐに見つかるはず。
と、常に頭の中は成分の事でいっぱい。
オイルやグリスのカラーやネーミングなんかで悩んでいるんじゃなくてね、最も大切な事は自社が求める性能と成分、そしてサンプルが出来上がってからの試用と検証。
これに尽きます。
化学であっても机上の理論だけで製品化する事が出来ない要素を多く持つホビーシーンのオイルやグリス。
自動車用とか機械用とか用途も条件も限定されている方がよっぽど楽と言う事。
そりゃメンドクセイはず。

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