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2025年3月14日金曜日

記事。

先日の超々低粘度サンプルグリスについては着々と進行しているのですが、稠度0号以下の超々低粘度グリスってイメージが湧かないかもしれませんね。
未だ試作の段階で方向性を確定する言い方をするのも変なんですけど、開発ターゲットとしているイメージは当然あるので、その点を具体的な使用例でお伝えしてみようと思います。
BOREDのMETHODウレア系グリスについてはUG SIGMAとUG OMEGAの強粘着タイプUGシリーズ2種と、DELTAとALPHAとTHETAの定番ベーシックシリーズ3種の全5製品がラインナップされています。
けれど今回新たに試作しているグリスは分かり易く例えるとグリスとオイルの中間的なイメージで、グリスの性状と質感を持っているペースト状ながらオイルが適正となる箇所にも使用する事が出来る流動性を持ち合わせている。
分かり難いな。
BOREDのMETHODオイル製品中で最も高粘度なTHICK HEAVYオイルから粘性を取り去った物がグリスになったと例えると一番近いかもしれません。
これまでオイルを使用して来た箇所をグリスとして置き換える事が出来ると言うか、オイル感覚で使えるグリスと言えば良いイメージが持てるかもしれません。
では肝心の具体例を挙げてみます。
先ず、オールドリールやビンテージリールのユーザーには全てをオイルで仕上ている人も多く、敢えて金属的な使用感を出しながら定期的なオイルアップで状態を維持させている場合もあったりして、そんな場合でも使用感については大きく違和感を感じないながらも実際にはグリスの物理的耐久性が得られるとか。
次に、ソルト使用での大型リール全般においてはベアリングにグリスを使用する事も常となっている場合がありますが、そのグリスを今回の超々低粘度グリスへ置き換える事で市販他社には存在していない?であろう超々低粘度グリスのフィーリングからオイルに近い巻心地が得られ、けれどシッカリとペースト状のグリスらしい物理的耐久性が得られるとか。
最後に、プラスティックギアやウォームシャフトなどリールの種類や型番に限らず塗布に悩む事の多いパーツなど。
これってオイルなの?グリスなの?と悩まれる事が多いパーツって結構あると思うんですが、これは淡水使用か海水使用かで使い分けする人も居たりして中々悩みどころのパーツ達な訳で、そんな場合でもオイルとグリスの中間的な存在として迷わずに一択使用出来るとか。
また本筋としてはライトやフィネスなどの超高感度な巻感を求める場合に使用するのは当然として、特に小型番手のスピニングには粘度抵抗が少ない利点がアベレージとなるでしょう。
つまり一般的なグリスだと粘度抵抗が回転や潤滑のロスとなる場合もあって、けれどオイルでは物理的な性状から不安を感じてしまう場合もある、なんて時に出番となる様にかなり多用途でコンパチ使用出来る存在だと言う事です。
しかも単にグリスにオイルを多く配合させると言う事だとシンプルに油分の配合量だけが多くなり、また成分によっては上手く配合させられない事があるので推奨していませんが、今回の超々低粘度グリスは増稠剤のウレア自体で稠度を低くしている事で上記の懸念が一切無い。
それでも利点を生かす為にDELTA、ALPHA、THETAよりも僅かに多い離油に調整してありますが、非常にマニアックながらこれが結構自分的には理想的であって、この粘性と粘度ながらこの離油具合と言うのは結構イケていると自負しています。
もちろん油膜性能についてはオイルと言うよりもグリスとなるので、オイルの化学的な特徴ではなくグリスの物理的な特徴が大きく反映される事になります。
今回の超々低粘度グリス、下地は以前BOREDが別注生産として作った超低粘度グリスがあった訳ですけど、今回はUG OMEGAグリスを発売した後で感じていたTHETAグリスのポジション?この差別化について悩んでいたところにリールメンテナンスサービスのnecosanから提案を貰った経緯がありまして。
その際にも即答で「やる」と早々に試作を開始する旨を返答していたんですが、やはり作る側だけでなく毎日ヘビーユースしてくれているnecosanからの宿題?は自分の中にあった上記の差別化から来るモヤモヤを「やはりそーか」とヤル気にさせてくれる後押しとなりました。
悩んでいるくらいなら試作しちゃえば良いが即実行出来る環境にあるのがBOREDの強みでもあり、もちろん製品化までは諸々の実用テストを繰り返して最終的に適正となる範囲や数値も確定しなければなりませんが、今回は先の様に土台もある事から割と早い内に製品化へ繋げる事が出来そうです。
一旦試作も出来上がったので今度は着色とか容器とか同時進行で色々やってまして、画像は塗布量が目視し易い様にブラウン系の染料を入れたら入れ過ぎちゃってチョコレートみたいになってしまったサンプルグリス。
そして取り敢えず先日再調整したばかりの14ブレ二アスには改めてボディ内ベアリングに、21スコーピオンMD301にはウォームシャフトとノブベアリングに、20カルカッタコンクエストDC 201にはボディ内ベアリングとウォームシャフトに、19レボビーストにはボディ内ベアリングとウォームシャフトに、と、どれを使ってもサンプルテストが成り立つ様に仕込んでみましたので早速今夜からサンプルテストへ出かけてみましょうかね。
しっかし塗り易い。

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