注油量の間違い。
ホントに良く他社の広告?などでも見かけるのですが、シールドベアリングへの注油量について間違いが多過ぎる。もちろん対象となるリールの型番や用途によっては適正な場合もありますが、大体SNSやYoutubeなどで見かける注油量については間違いが多いんです。
なのでそれらを見た上で実行してしまうと間違いの拡散となってしまうので、改めてBOREDが以前より提唱して来た注油方法をお伝えします。
先ず、フィッシングリールでもサイクルパーツでも現代はシールドベアリングが多用されています。
シールドとは文字通りゴムやスチールなどで蓋をしてあると言う意味で、一部においてはPTFEシートなどでシールドされている物もあります。
更にこのベアリングにも両面共に全くシールドされていない「開放型」があり、そしてシールドされている「片面シールド」と「両面シールド」があります。
厳密に言えばシールドの方法も色々とあるのですが。
特にフィッシングリールのサードパーティであるカスタムベアリング?においてはナゼか両面共にシールドされていない「開放型」が異常に多く、その逆でメーカー純正においては「両面シールド」が使用されています。
シールドされているゴムやスチールの蓋がボールに接触するイメージが多いからか?「開放型」が多く好まれる傾向にありますが、実際にシールドはボールに接触しない「非接触型」が大半であって、フィッシングリールで多用されるミニチュアベアリングにおいては恐らく全てが「非接触型」です。
なのでシールドされていても構造的にシールドとボールが接触する事が無いので回転に影響は与えません。
むしろシールドされている方がオイルの飛散を防ぎゴミやチリの侵入を防ぎやすいのでBOREDでは「片面シールド」されているHEDGEHOG STUDIOのベアリングか、「両面シールド」されているメーカー純正または市販国内メーカー製をオススメします。
ま、純正ベアリングの片面だけシールを取り外してしまうのでも良いです。
さて、本題。
先ず使用するベアリングは必ず事前に脱脂洗浄して元のオイルやグリスを完全に取り去る必要があります。
これには市販のパーツクリーナーを使用して、出来れば洗浄力に優れた「中乾タイプ」と噴射が強く直ぐに乾く「速乾タイプ」の2種類を使用するのがベストです。
先ずは「中乾タイプ」を使用し空容器やビニール袋などの中にベアリングを漬け込んで20分前後放置してやる事でガンコな汚れもある程度分解させる事が出来ます。
その後に「速乾タイプ」のスプレー噴射を利用して濯ぎ洗い的に仕上げの脱脂を行ってやる事で金属表面の目に見えないデコボコの汚れを吹き飛ばします。
そして必ず10分ほど放置乾燥させてやるか、ドライヤーなどの温風で乾燥させる事。
スプレー式のパーツクリーナーには噴射ガスが使用されているので温度差により水滴が付着してしまうからです。
その水滴を蒸発させると言う意味。
そして完全に脱脂洗浄されたベアリングは絶対にシャーシャーと回転させないで、METHODオイルをベアリングボディから溢れるくらい多目に注油します。
そして直ぐに指でベアリングを10回ほど回転させてやり注油されたオイルをベアリングボディ内全体へ行き渡らせます。
で、また10分ほどペーパータオルなどの上で放置してやりますが、時々ベアリングを指で回転させたり逆面に置き換えたりしてやると良いです。
すると多目に注油された余分なオイルが徐々に流れ出て行くので、後はベアリングボディに付着したオイルを軽く拭き取ってやれば完成。
良く他社オイルにおいて「一滴で」的なフレーズを見かける事がありますけど本来は注釈が必要な事で、ベアリングの大きさもある事から全てにおいて一滴注油すれば良いと言う訳ではなく、本来は一滴に相当する少量の油膜しか事実上使用していないと言う意味です。
例えばハンドルノブベアリングに使用される740ベアリングなどは一滴で十分ではありますが、ボディ内ベアリングに使用される1280ベアリングが一滴で良い訳がありません。
なのでいくら低粘度で浸透性にも拡散性にも優れているオイルだとしても、ベアリングをキチンと何度も回転させて隅々までオイルを行き渡らせる為には一滴では明らかに不足の場合もあります。
更に純正ベアリングなどの両面シールドへ注油する際には一滴や二滴だとシールドの隙間を越えて上手くオイルが浸入しているとは限りません。
個人的な経験上から言うと両面シールドへの注油こそタップリと注油を行い、更に時々ベアリングを回転させてシールド上に溜まったオイルをシッカリと侵入させてやる必要があります。
なんなら不要なベアリングを使ってシールドを剥がしてみれば分かります。
と言う事でオサライとして注油に関しては、保険的な意味も込めてベアリングボディから溢れるくらい多目(恐らく5滴~6滴?)に注油してやって、時々回転させながら余分なオイルが流れ出る目安?の10分ほど放置したらベアリング全体に付着したオイルを軽く拭き取ってやる。
この方法を基本としておけば注油ミスにより油膜不足や潤滑不良は起こり難くなるでしょう。
参考までに国内ベアリングメーカーではサイクルパーツなどで多用される6000番台のシールドベアリングにおいて、ベアリングボディの体積に対して40%の基準でグリスが封入されています。
って事はいくらミニチュアベアリングだとは言えグリスでは無いオイルが一滴で上記の40%に相当する訳がありませんね。
ゼヒBOREDの注油方法にてお試しください。
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