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2022年8月23日火曜日

記事。

ちょっと難しい事を書きます。
今、新たな試みとしてサンプル試作を開始している超低粘度オイル。
過去に使用して来たコンプレックスエステルから別のエステルへの置換を検討中なんです。
元々ホビー用途であるので粘度指数はそれほど重視する訳ではないんですが、流石に二桁では雑過ぎるので三桁あれば良いと言う考え。
もちろんポリマーは使わない。
けどそれに添加する各種添加剤の配合により最終的な粘度はVG9相当になる計算。
同等粘度製品としてはKRAKENオイルのVG7、GOLYATオイルのVG9、HYDRAオイルのVG7となりますが、HYDRAオイルは防錆添加化合物の油膜が生成されると若干粘度変化が生じるので、純粋にはKRAKENオイルとGOLYATオイル相当となります。
但し現在KRAKENオイルとGOLYATオイルのベースオイルは通称PAOと呼ばれるポリアルファオレフィンで、今サンプル試作しているオイルは上記の様にエステルになると言う事で、ベースオイル単体の時点で少し摩擦係数も粘度指数もアップグレードする。
初期のKRAKENオイルとGOLYATオイルがエステルであったので元へ戻すと言う訳では無く、新たに別のエステルへ種類を変えてアップグレードさせると言う事。
そう、これまで書くと気が付きますよね?
今年の春先から一部材料が欠品してずっと生産出来ない事もあり、KRAKENオイルとGOLYATオイルのアップグレードを目論んでいたんです。
そして同時に永遠の課題でもある防錆添加剤についても新たな材料業者と打ち合わせを重ねています。
今サンプルを依頼している防錆添加剤は酸化還元反応を抑制する物で、それと同時に水置変換性を向上させる物も依頼している。
もちろんいずれも塩水をターゲットとしている。
まぁ一般的な防錆添加剤は酸化還元反応を抑制するタイプが主流で、それ以外はBSLRオイルやHYDRAオイルの様に特殊な防錆被膜を生成させたり、金属に対して水の分子よりも先にオイルの分子が付着する事で防錆する水置変換性を用いるしかない。
稀にイオンやフッ素などで?みたいな物もあるけど、あれは油脂じゃないんで表面処理に近いから別物。
その新たな精度を上げたいと言う事からやはり油脂に溶解出来る添加剤タイプが理想で、酸化還元反応を抑制する物と水置変換性を向上させる物をハイブリッドしてみるのはどーなのかと?
これは実際に技術的には可能で、でも各種の配合比率や中間素材の選定に時間を要する事になる。
ある程度ザックリと材料業者のモデルケースやJISに準じたテスト結果も提示されているから参考にはなるんだけど、やはり摺動や回転などリアルな実用テストを行ってみないと怖くて売れない。
今この段階。
だけど更に迷うのはこの新たな防錆添加剤が理想として完成した場合、それを全製品に配合するべきか?とかね。
決して業者が作った有り物を詰め替えているオイルとは違うから、用途や需要や原価から全部見直す事になるんですね。
それもこれも数年前までは自転車はもちろん、バスやトラウトなど淡水用途をメインにして来たところから、新たにこのコロナ禍から海水用途も視野に入れ展開する様になったから。
シーバスの馬鹿。
追記:JIS K 2246の湿潤試験で今のところ20日間(480時間)錆の発生ゼロでまだテスト継続中。

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