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2022年8月24日水曜日

記事。

昨日に続き。
ナゼかこの手の話になるとアクセスが良いのは皆さんケミカルヲタクなんだからでしょうね。
良い事です。
さて、昨日はあくまでも現在の希望的観測としてMETHODオイルのKRAKENとGOLYATをアップグレードする方向って事だったんですが、むしろそれよりも防錆添加剤ネタの方に食い付きが良くてメールで質問ラッシュとなりました。
個別での回答は性格柄とってもメンドクサイので、こちらでお話したいと思います。
先ず、今サンプル試作している防錆添加剤は酸化還元反応抑制タイプと水置変換タイプの2種類と書きましたが、既にこの2種類の防錆添加剤をハイブリッドしたサンプル1をJIS K 2246に準じた湿潤試験でテストさせています。
これは材料業者で行えるテストなんですが、ベースオイルに鉱物油を用いているにも関わらず既に今日付けで21日(504時間)経過しても錆の発生は見られません。
このサンプル1はJISに当てはめるとNP-10と言う規格のオイルになり、合格基準の最高レベルは480時間です。
つまり現時点で最高レベルのA級をクリアした事になります。
いや、実は昨日の時点で480時間をクリアしたからブログネタにしたんですけどねw
アウトだったらブログネタにしていなかったと言う正直者。
で、これはあくまでも防錆添加剤としてのテストなので、テストに使用する為のオイルは安価な鉱物油。
もちろんBOREDのMETHODオイル製品では鉱物油をベースオイルとして使用する事は絶対にありませんが、終わったら捨てちゃうテスト用に高価な合成油は使いたくないから代替えとして安価な鉱物油を使ったと言う事。
上記の鉱物油でも優秀なテスト結果が得られているなら、基本性能が明確に上となる合成油だったら更に超優秀になるか?と言うと現在ホビー用途としているMETHOD製品においてはその解釈で大丈夫です。
そしてこのテストの後には更にJIS K 2510に準じた錆止性能試験でもテストも行ってみます。
これが一番リアルなテストになるかと思っているので。
この錆止性能試験とは、フィッシングリールでもサイクルベアリングでも一番目にする最悪な状況と言うか、つまりベアリングを見たら「水が入ってしまってるじゃないの」ボディを開けたら「水が入ってしまってるじゃないの」って状況を逆の解釈でテストすると言うもの。
実際には60度に恒温させた一定のオイルの中に少量の塩水を入れ、金属の棒を回転させながら掻き混ぜ続けるってテスト。
これはもうフィッシングリールでもサイクルベアリングでもドンズバでしょ?
この状況において金属の棒が錆びるまで何日(何時間)かかるんだ?って事。
このテストをゼヒやりたいんですね。
でもね、これらのJISに準じたテストって特に防錆の場合は24時間単位で依頼するのが普通で、つまり上記のJIS K 2246に準じた湿潤試験は今のところ〇〇〇円×21日って計算になる訳。
あ、〇〇〇円て100円単位じゃないよ。
だから結構お金が要るんですよ。
更に今回は上記の様にもう一個テストしようとしているので、大変言い難いんですが更に良い物を作るから注文くださいw
オイル少ないからグリス買って。
さて、次にBOREDがよく書いている材料業者とか提携業者って何者ですか?って事なんですけど、これはもう正直言って素人が理解出来る業者じゃありませんので。
自分も不明点があると材料業者の技術部門とか開発部門へ電話し、メール添付して貰った資料をプリントアウトして長々と相談する程であって、昨日だって画像の流動点資料を見ながら夕方までずっと電話していましてね。
で、その材料業者ってオイルメーカーじゃないですからね。
これ勘違いが多いんですが、一般的なガソリンメーカーも併せたオイルメーカーのHPで見られる「工業用ギアオイル」とか「真空ポンプオイル」みたいな物って既に製品になっているんでそーゆー物じゃないと。
そうじゃなくて、製品になる前の各種材料の段階で色々な業者が専門にソレだけを作っていたりするんです。
それらの業者はオイル用だけでなくて、樹脂用だったり塗料用だったり印刷用だったりなど、様々な種類の自社が得意とする材料だけを作っている場合が多くて、大手だと信越シリコンはシリコーンやシリカを作っていたり、ニチモリはモリブデンやペーストを作っていたりなど。
カーボンで言うことろの東レみたいなもんです。
それら材料業者から何種類も個別の各種材料だけを仕入れるんです。
A社には防錆添加剤、B社には摩擦防止剤と極圧添加剤、C社にはベースオイル、D社にはベースオイル、みたいな感じ。
そしてそれらを今度は提携業者で混ぜる訳です。
つまり加工屋さん。
混ぜると言っても普通にバケツに入れて掻き回せば出来上がりじゃなくて、温度を一定に保つ恒温装置とか、空気が入らない様に真空装置とか、諸々の設備があった上でキチンと製品に仕上げる事が出来ると。
この提携業者で生産された物が最終的に一斗缶とかリサイクルのペール缶などに充填されてBORED事務所へ届き、それを外注倉庫のオバちゃん達が充填機械を使って容器へ充填しラベルを貼ってMETHODオイルになると言う事。
だからBOREDには皆さんが聞いた事が無い会社の納品書が沢山あってね。
高くてね、切なくてね。
なので昨年から諸々の価格高騰が続いていると言うのに、BOREDはこうやって頑張って真面目に製品のアップグレードとかマイナーチェンジを常に考えていると言う事。
課題が出来れば比較的すぐにサンプル試作に着手出来る事がウリ。
今多くが出始めて来たフィッシングリールのオイルメーカーなんて、基本的に100%外注生産品ですからね。
自社でコレとコレをみたいな実験や試作を行ったり、材料レベルで適正かどうかを判断したりなんて事は一切していないはず。
てか、出来ないはず。
ま、自社で作っていなくても自社で発売すればメーカーぶれるんで便利な世の中ですね。
ウチはそんなツマラナイ事なんて絶対にしないけど。
あ、シツコイ様だけど注文よろしくね。

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