言わなくて良いんだけど定休日の本日もまた休日出勤しています。
そんなタイミングで2013年のBLOGで使った画像を見つけました。
以前はこーやって最終サンプルオイルの油膜テストをやったりしていましたね。
分かり難いのですがベアリング外輪だけ回転させています。
現在のBORED事務所が作業場と実店舗だった頃の話。
これ旋盤に6000番代のベアリング外輪をチャックしてサンプルオイルを一滴注油し馴染ませます。
そして焼き付くまでの時間と状態を見る為に800回転まで徐々に旋盤の回転数を上げて行くんです。
もし例え油膜が切れてベアリングが焼き付きロックされたとしても、ベアリング内輪のリテーナーを支えている割り箸が折れるだけなので直ぐに止めれば問題無し。
ですが、徐々にベアリングが摩擦により熱せられ軽くケムリが出始めて来てもベアリングが焼き付いてロックされる事は無く、時間にして30分とか40分とか他の作業をしながら放置していて忘れてしまう事もありましたが、これまで旋盤から異音が聞こえて来る事は一切無し。
つまり焼き付いてロックした事はありません。
どっちみちロックし続けていたらベアリングがバラバラに破壊されて超危険ですしね。
これはもう十分に油膜は強靭だなと確信した想い出。
そんな事を当時は製品毎にテストとして繰り返して来ました。
この時は確か初代のLIGHT DUTYオイルか、それ以前に発売していたSPLまたはMPLと言うオイルだったはず。
ちなみに旋盤は出力1馬力で重量350kgの旋盤としては小型の部類になりますが、自分でインバーターを後付けしてダイアルで回転数を可変出来る様にカスタムしていました。
なので回転数を最高で1200回転まで上げたり逆にいきなり20回転の低速に落としたりなど、極端に回転数を変えて負荷を与えたり、色々と旋盤を使った独自の油膜強度テストを行って来た良い想い出の画像。
2014年に業務内容を変更した数年後に邪魔なのでフライス盤と共にこの旋盤も手放してしまいましたが、当時のサイクルメカニック時代から切削以外にも研摩とか切断など色々な事に使って来た旋盤でした。
で、現行のMETHODオイルはこれら歴代のオイルから更に何度もアップグレードやモデルチェンジを繰り返して今に至ると言う事。
古くからのユーザーならお分かりのとおり。
基本的にBOREDのMETHODオイルは先ず設計の段階でベースオイルを決定し、そこへ配合するターゲットに見合った各種添加剤を選んでいきます。
そして先ずはスモールスケールで試作のサンプルオイルを3種類作り、この3種類の中から概ねターゲットのイメージに近い粘度や粘性を選び、そこから更に詳細に突き詰めて添加剤の配合割合を決めていきます。
これでイメージどおりのサンプルオイルが出来上がると、それを提携業者へ出して諸々のテストを行わせ問題がなければ次に実用テストを行います。
これはフィッシングリールであれば自身のリールに使用するのは当然として、更に協力者であるリールメンテナンスサービスを運営している某氏達と、DEALERショップやBOREDサポートや遊漁船船長などにもサンプルテストを依頼して、複数の違った環境や用途などで実用されるのを暫くは様子見。
その時点で改善点が発生した場合は更に数種類のサンプルオイルを作り実用を繰り返すトーナメントの逆バージョン方式。
試作の時点で提携業者によりクリアーする機械的数値は得られているので製品としては問題なく、でも更にフィーリングなどを重点的にチェックすると共に耐久性や油膜性を第一に実用しチェックを続けます。
この後でようやく最終サンプルオイルを作り、再度上記の協力者達にも実用テストをお願いする。
これでようやく発売に至る訳です。
毎回同じフローではありませんが。
もちろん最終的な製品においては20年近くと長い付き合になるMETHODオイル&グリス生産のブレインとも言える提携業者のオッちゃんに確認をしてもらい、その後も設備の整っている提携業者のオッちゃんに量産作業を依頼して完成となる訳です。
これが隔月にスチール缶で納品されて来るので、そこから外注倉庫の中に設けたBOREDの作業場にてオバちゃん達により半自動充填機を使い容器へ充填された物に、各製品毎に担当するオバちゃんが手作業でラベルを貼って完成と言うフロー。
以前は画像の様に無茶をしてテストを行って来た経緯があるので、今では提携業者による諸々のテストを経た数値を見るだけで概ねの性能が分かる様になりましたが、その上で更に実用テストに時間を掛ける意味こそが最も重要です。
画像の様に無茶していたあの頃の自分に今更感謝。
なんつって。
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