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2024年11月14日木曜日

記事。

本日より画像のBALBOAオイルと共にBSLUオイルとZAYTオイルの在庫補充生産を開始しています。
先ずは秋になると良く動くBALBOAオイルからと言う事で、本日も外注倉庫の作業場にて売るほど量産している訳ですが、このBALBOAオイルについて改めて特徴や用途をご説明します。
BORED STOREの製品ページにも書いてある様に、このBALBOAオイルは主にフィッシングリールのスプールベアリングやラインローラーなどの低荷重で高回転を求めるベアリングをメインターゲットとしています。
しかし、低荷重や高荷重と言っても各ジャンルやカテゴリー毎に解釈も違って来る曖昧な言葉なので、ザックリと言えばエリアトラウト~バス~シーバス辺りのシーンをメインターゲットにしていると思って貰えれば問題無いかと思います。
んで、先ずはこのネーミングについては映画ロッキーの「ロッキーバルボア」から取った事は発売前後にもご紹介したとおりでして、ではその意味は?と言うと過去廃盤製品のKRAKENオイルとGOLYATオイルの存在が大きく関係しています。
このKRAKENオイルはVG7でGOLYATオイルはVG9の主に淡水専用とした超低粘度なオイルでしたが、とにかく使用している一部材料がコロナの影響で何度も入手困難となり、特に後半においては入手が非常に不安定?不定期?となって来ました。
何度も欠品が続いたり生産に遅れが生じる事の繰り返しとなった事から、この不安定さを継続する事は建設的ではないとモデルチェンジする事にしたんです。
それがこのBALBOAオイルであって、いずれも超低粘度ながらKRAKENオイルの特徴であった浸透性とGOLYATオイルの特徴であった耐久性をコンパチした凄く理想的なオイルに仕上げる事が出来たんです。
で、何度も挫折と再起を繰り返し復活する様がまるでロッキーじゃんて事になり、モデルチェンジさせるオイルのネーミングがロッキーだとダサイので敢えてバルボアにしたと言う事。
このBALBOAオイルは自分で言うのもなんですが超低粘度オイルの理想形です。
他社を含めたVG10以下の超低粘度オイルって浸透性と潤滑性だけを重要視しているのですが、それは超低粘度な油膜に想定以上の耐久性を持たせる事が出来ないから。
これって殆どの場合がベースオイルの性能に依存して来る事であって、添加剤の存在も当然重要ではあるんですが、なによりもベースオイルが化学合成油でなければ実現は難しいんです。
で、KRAKENオイルとGOLYATオイルで使用して来たベースオイルはポリアルファオレフィンで、このBALBOAオイルではベースオイルをエステルに変えた事で更なる油膜強度を確保する事が出来たんです。
ま、当然ながらその特徴から得られる結果は分かっていたんですけど、なんせ超低粘度オイルなので顕著な差は無いだろうと思い込んでいたと言う。
そして単に油膜強度の高い超低粘度オイルがウリとする浸透性だけでなく、浸透性に伴う延長として拡散性も持たせたいと考えていたので、そこからは「やるんじゃなかった」と後悔するほどに設計と開発に何度も見直しを行い、試作したサンプルなんてもう大量も良いほどに廃棄して来ました。
要するにBOREDが求める浸透性とは、垂直面にオイルを塗布すると「スーッ」とスムーズでスピーディーにオイルが下方向へ流れ落ちるイメージではなくて、横方向にもオイルが広がってから下方向へ流れ落ちるイメージでして、これはベイトリールであれば主なベアリングはラジアル方向だけにしか配置されていないんですけど、スピニングリールになるとラジアル方向ではなくなる訳です。
つまりX軸とY軸の話。
と言う事で表面処理されていない生地状態のSS400鉄板を何枚も用意して、その鉄板に800番のペーパーでランダムな傷を付けた物に、サンプルオイルを一滴垂らしてはその油膜の広がり具合をチェックすると言う地味な作業を繰り返したんです。
その広がるスピードの調整こそが最大の難関だったんですが、もう添加剤の配合比を何度も何度も繰り返し行って、最終的に決定した物を量産前に最終サンプルとして使用してみるとイマイチ違うなとなり、更に最後にもう一度調整を行ってようやく決定したと言う困ったちゃん。
なのでBALBOAオイルは浸透性の延長として金属面に垂らすとパーッと上下左右に油膜が広がる拡散性を持たせたオイルと言う事で、この拡散性は一般的に溶剤を配合している市販オイルには多くみられる事なんですけど、当然ながらBOREDのMETHODオイルでは全て溶剤無使用につきこの拡散性を実現するのは中々のテクニックと自負しています。
と言う地味なアピールとはなりましたが、油膜の浸透性と拡散性に優れた潤滑性を重視しながらも実は海水使用にも対応した防錆性も併せ持つ超低粘度オイルなので、自分の場合は70番のベイトフィネスでも200番のベイトリールでもコンパチしてスプールベアリングで使用する事が出来ています。
もちろん海水使用で。
これって中々凄い事だと思いますよ。
7gのミノーと130gのビッグベイトが同じオイル1本で違和感無くキャストする事が出来る。
但し、当然ながら重量だけでなく荷重や摩擦などの違いが生じる上に、ベアリングはもちろんリールボディを含めた強度から来る違いがあるので油膜の寿命にも関係して来る事ではありますが、サンプルテスト中はその辺りを無視して使用し続けていましたが、未だそのベアリングには不具合もなく現役で使用する事が出来ています。
まぁ実用としてビッグベイトなどで使用するとスプールの初速が上がり過ぎてしまうのでバックラッシュなどへの懸念も必要となり、だからと言って急激に飛距離が伸びる訳ではありませんけどね。
この辺りは相変わらず誤解もある様ですが。
と言う事で既に売るほど在庫してありますBALBOAオイルのマルチパーパスな使用範囲をゼヒお試しください。

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