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2022年1月27日木曜日

記事。

では何で他社のオイルやグリスとBOREDのMETHODオイル&グリスを同一使用してはダメなのか?
いきなり始めましたけど。
実は敏腕フォロワーさんのポストに反応しオフィシャルとして説明しようと言う今回の便乗記事なんですが。
で、なんでダメなのか?それはズバリ他社のオイルやグリスとは素材となる材料が違うからです。
もっと言えば材料が明確ではないから。
例えばBOREDのMETHODオイルで使用している化学合成油や合成油と言うのはザっと簡単に分類するとオイル界のグレードでは1位と2位のシンセティック。
3位は一番安価な鉱物油ね、これは材料が不安定なのでオイルには使いません。
この内1位の化学合成油としてBOREDでは主にエステルコンプレックスを使用しています。
コンプレックスエステルって呼ぶ場合もありますが。
このエステルの特徴は合成油や鉱物油よりも油膜が強く、揮発や酸化が各段に少ないディフェンス効果の強い事がウリ。
では何で油膜が強いのかと言うと、金属に対しプラスとマイナスの原理を持ち合わせているので、双方分子間においてプラスマイナスがくっ付くと言う性質があるんです。
磁石みたいな事でオイルの油膜が金属にくっ付いてしまうと言う事。
なので合成油や鉱物油よりも油膜の耐久性と言うか定着性に優れていて、極薄な油膜がかなり強靭に密着してくれていると言う訳。
ちなみに合成油は鉱物油の弱い部分だけを文字通り合成的に強化したオイルって物。
で、これがBOREDのMETHODオイルは汚れ難いと言う理由にも繋がり、METHODお取り扱いDEALERの10minutesなんかには「毎回ホント汚れが少ない」とお墨付きを頂いたりしまして。
彼らは今やオフショアでデカい青物をヘビーなジグやデカいルアーで釣る人達。
恐らく釣りの中で一番過酷。
そんな彼らのリールメンテナンス依頼数はスゲー多いらしいんですが、今日もメンテナンスの受注がマックス的なSNSが上がっていましたし。
そこまで定期的なメンテナンス依頼が多いと、単純に最初に始めるクリーニング作業も楽な訳が無い。
これが比較的スムーズに済ませられる理由の一つに予めMETHODオイル&グリスを使用してメンテナンスしてあったからと言う事。
それは上記理由から常に極薄油膜が金属パーツへ付着しているから汚れが付着し難い。
さて、話を戻します。
で、BOREDのMETHODで使用しているベースオイルは先に述べた様に化学合成油であるエステルコンプレックスと合成油のポリアルファオレフィンと言う物で、これらは特注として提携業者へ生産依頼しているBOREDオリジナルです。
まぁ厳密に言えばそのオリジナルで使用している更に大元の材料は知りませんけどね。
そこへ一般では買えない完全な業務用として契約している業者から仕入れた各種の添加剤を自身で設計したレシピを元に何種類も検証した上で提携業者にて添加させています。
例え仮に市販の業務用材料を使ったとしても配合する組み合わせにおいては無限なので、そーゆー意味では簡単にオリジナルが作れるんですが、それが長期的に問題を起こさないか?狙った数値を得られているか?性状や粘度は想像通りか?などの諸々は別問題なので安易にオリジナル化なんて出来る訳がない。
せっかく手間をかけてオリジナルで生産した材料を使用したMETHODオイル&グリスには、先日書いた極圧添加剤として硫黄系材料を用いた酸化被膜が生成される極圧添加剤が使用されています。
この酸化被膜はBOREDオリジナルの物として金属の表面に極薄く酸化被膜を生成するんですが、例えば仮にこのBOREDオリジナル酸化被膜の上から他社の極圧添加剤としてPTFEが配合された物を注油したらどーなります?
他社のPTFEによってBOREDオリジナル酸化被膜が侵される事になりますよね?
簡単に例えれば、BOREDが綺麗に塗装した上から別の誰かが別の塗料で塗装しちゃった上に爪で引っ掻きやがったみたいな事。
厳密に言えばこれが酸化被膜だけの事では無くベースオイルにも言える事であって、なのでMETHOD内でもBSLRオイルとHYDRAオイル同士は問題無いんだけど、コイツ等と他のMETHODオイルやグリスとは混ぜないでくださいと言っていまして、キチンとBORED STOREの製品ページも記載しています。
これはBSLRオイルとHYDRAオイルだけに使用されている特殊な防錆被膜が生成される為に、他のオイルやグリスを混ぜると防錆被膜が侵されたり薄まってしまうからと言う理由から。
こーゆー事が前提にある為に市販においてもオイルやグリスの注意書きなんかには「他社製品と同時使用はしないでください」的な事を書いてあったりもします。
別にコレとコレを混ぜると爆発するとかじゃないですけどね。
なので単純に世間で強いとか良いとか言われている物をプラスして更にプラスすれば最強!なんて思っているお馬鹿さんはホントに学習して欲しい。
プラスとプラスはマイナスになる場合もあるんだよって事を。
しかもそれらを熟知していない割にキチンと業務としてメンテナンスなんかで使っている場合も多く見受けられます。
これが怖いっ。
一応業務としてやっているならキチンと物理や化学を理解して、確実に業務においては1メーカーだけで完結する様にしなければアンタ素人だろ?ってバレちゃうよって。
だったら初めからカッコ付けないでメーカー純正だけでメンテナンスしていれば良いと思うんですよね。
なんで5社も6社も使う必要があるんだろう?
不思議で仕方ない。
意地悪して第三者を使ってそこにメンテナンスを依頼した仕上がりを確認してみようかな?
なんて暇はありませんが。
これが以前にも書いた様に1リールに対して1メーカー内だけでメンテナンスをしている所はOK、でも1リール内で同時に何社も使い別けしている場合は完全にアウト。
コダワリとは別次元の話だからね。
リールの各種セクションが完全にシールドされているなら話は別ですけど。
なので例えばベイトのハンドルノブベアリングにはA社で、リール内部のそれこそワンウェイクラッチにはB社、これなら別に良いんです。
物理的に絶対に2社が混ざり合わないから。
あ、ちなみに現在ではBOREDのMETHODオイルとMETHODグリスを混合する事も推奨していません。
この場合は共通使用する添加剤も多いのですが、決定的にベースオイルが違って来ますのでご注意を。
METHODグリス製品はセミシンセティックとしてベースオイルには鉱物油を使用し、補助として合成油を加えて強化していると言う事ですので。
そーゆー事で、一応BOREDのMETHODでは全てのカテゴリーに対応出来るであろうオイルやグリスはラインナップしているつもりですが、もちろん今後も更に何か必要性を感じれば新たな製品開発は行っていきますし、以前から同様に新しい材料がリリースされたら先ず自身で試した上で積極的に使用してモデルチェンジやアップグレードする事は常に意識しています。
これが大手や純正とは異なるガレージメーカーならではのレスポンスだと。
でも逆にネガティブ要素としては、常に材料確保の不安が付きまとうと言う事もあり、そして工場を動かして一度に何万本もロットを回す様な生産が出来ないと言う点はネックです。
宝くじ当たれ。

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