先ずこのCHIMERAオイルを開発したターゲットは2つあります。
1つ目はフィッシングリールにおけるワンウェイクラッチ?ローラーベアリング?など様々な呼び名のあるハンドル付け根にある逆転防止機構を持たせたニードルベアリングの事ですが、ここではワンウェイクラッチと称しますね。
で、これはフィッシング用の特別なパーツでは無くて、主にベアリングメーカーが主体で製造している元々存在しているパーツなんです。
なので釣り用に釣具メーカーが特注依頼する事はあっても、製造しているメーカーは殆どがベアリングメーカー。
ま、ベアリングなんでね、こんなもん釣具メーカーが自社で作る事は無いでしょう。
で、CHIMERAオイルはこのワンウェイクラッチを最適に稼働させると言う事。
2つ目はBSLRオイルやHYDRAオイルの様に強靭な防錆被膜を生成する手段とは異なり、シンプルに防錆添加剤による長期的な防錆性能を持たせると言う事。
この同じ手法における防錆性能は米国のMIL-SPECを超える性能を実現しているんです。
MIL-SPECは当然ながらアメリカの軍隊規格であって、軍事使用に際してある程度の高い基準を設けて、あらゆる状況下において使用出来る高スペックな物となります。
でも別に世界一の性能と言う訳では無くて、一般レベルよりも高スペックな基準をクリアした性能て事。
そしてCHIMERAオイルはMETHODオイル中で唯一粘弾性と言うネバリを持たせずに極力サッパリとした感触を追求し、ベースにはフルエステル化学合成油を100%使用と、次に特殊極圧添加剤を他製品よりも高配合していると言う点が特徴です。
世間の勘違い?したオイルやグリスの中にはワンウェイクラッチに極圧添加剤は不向きとされているとの噂を聞きましたが、それこそ極圧添加剤の事を正しく理解していない全くの素人発言。
先ず極圧添加剤とは一般的にテフロンに代表されるフッ素樹脂を成分とするPTFE、真っ黒なモリブデンと言う金属を微細配合した二硫化モリブデン、そのモリブデンを化学的に有機化合させた有機モリブデンなどが一般的ですが、BOREDでは硫黄系極圧添加剤をベースとした特殊極圧添加剤が配合されています。
上記の内、PTFEや二硫化モリブデンは純粋に攪拌しなければ沈殿する固形添加剤であり、要するにオイルやグリス中に微細な固形物が配合されている物です。
所謂ツブツブオレンジジュースと言う事。
逆に有機モリブデンや硫黄系極圧添加剤は有機化させた事により固形添加剤扱いではなく完全な液状として、予め何かしらのオイルに高配合されている物です。
透明なのにオレンジジュースって事。
で、世間の無知な噂によると極圧添加剤が金属表面をスベスベにしてしまい、常に滑ってしまう事でワンウェイクラッチのロック機構に影響し逆転するとかしないとか。
んな訳ない。
もし仮にそうだとしたら地球上にある全ての「滑り」を求める潤滑問題は即解決じゃないですか?
そうじゃないんですよねぇ。
実はPTFEにおいてはテフロンがあるだけに一般的にも想像し易いし、PTFEを使用しているメーカーは安易にイメージ画像を作ったりするんですけど。
つまり金属の目にみえないデコボコがPTFEの丸いボールで埋められて平面になっている様なイメージ画像ね。
仕舞にゃマイクロボールベアリングなんて言ってみたりする。
あれ、嘘です。
先ずPTFEの微細粉末はイメージ画像の様なボール状じゃないって事。
そしてそのPTFEが金属表面とオイルやグリスの中を浮遊して転がりながらデコボコを埋めるなんて事は絶対的な確証が無いイメージなんですね。
じゃなくてPTFEの本来の役割は金属表面と金属表面が接触する際にオイルやグリス中に浮遊して存在する事でクッション材となり、なので直に金属表面同士が接触しないから摩耗を防ぐって事が正解なんです。
で、BOREDの手法と言うのは極圧添加剤により金属の極薄い表面を酸化させる事で、これが一般的には酸化被膜と言われる物なんですが、金属表面同士の接触時に金属表面が薄いクッション質に変性している事で摩耗を防ぐと言う物。
これだと不純物?である固形添加剤が存在していないから非常にシンプルなんです。
つまり上記で勘違いしているワンウェイクラッチに極圧添加剤が不向きと言われている噂は、恐らく固形の極圧添加剤が使用されたオイルやグリスを使用したからであって、それが経年や酸化により油分が失われて行くと固形分だけが残り不要なゴミ化してしまう事でクラッチ機構の動きがスポイルされる事があると想像します。
ワンウェイクラッチは冒頭に書いた様にあくまでもニードルベアリングを使用したベアリングなんです。
なので油分が失われヤキツキやカジリが起こると単純にその形状からボールベアリングよりも顕著に摩耗を起こします。
その金属表面が荒れた状態で水分や塩分が浸入すれば、言わずもがな。
言う迄もなく直ぐに錆びるは異音はするは回転は悪くなるはと言う事。
だけど注意すべき点は上記の様なトラブルを避けたい為にワンウェイクラッチにグリスをはじめ高粘度オイルを使用してしまうと別問題が発生すると言う事。
これは国内のワンウェイクラッチを製造している最大手のベアリングメーカーでも推奨している様に、基本的にはオイル潤滑が好ましいとされています。
もちろんベアリングメーカーにシツコク電話までして直接聞きましたし。
で、併せて某お取り扱いDEALERが以前BSLRオイル、LIGHT DUTYオイル、GOLYATオイルを使用してウェンウェイクラッチの潤滑を検証した際に、BSLRオイルは逆転していまう事があったと。
LIGHT DUTYオイルとGOLYATオイルはリールの番手によって使い分けて確認したそうですが、特に問題は無かったけどベストでは無いと。
これら3製品に言える違いは、先ず単純にオイル自体の粘度、そして粘り感を示す粘性。
つまり粘りを示す粘性が高くなるとワンウェイクラッチのクラッチ部分である逆転防止機構に支障を来す事になります。
これは簡単にイメージ出来るんですが、粘度や粘性が高いと一旦引っ込んだニードルベアリングが直ぐに戻ってくれなくなる事で、その戻る迄の間は回転が不安定になったり逆転してしまう事に繋がる。
これが粘度も粘性も低いと非常にレスポンス良くニードルベアリングが引っ込んだり戻ったりしてくれるので、本来のクラッチロック機構に全く問題を生じさせない。
これらが先ほど釣具のワンウェイクラッチにはオイル潤滑が好ましいと回答された国内最大手ベアリングメーカーの回答の意味だったんです。
なので全てを加味すると。
防錆性と極圧性を持たせた極力サッパリとした粘性のオイルこそが適していると言う事になります。
酸化や揮発により油分が失われ不純物化してしまい隙間などを埋めて動きをスポイルさせる原因にもなる固形極圧添加剤は一切使用せず、でもニードルベアリングとインナーカーラーが常に線で回転接触する事からボールベアリングよりも高い極圧性を確実に要し、更にクラッチ機構を妨げない為に出来るだけ粘度は下げた上で粘りは避け、そしてなにより油膜自体が酸化や揮発を起こし難く長期に渡る強靭な潤滑を行えるシンセティックな化学合成油である事。
もうCHIMERAオイルですね。
そしてワンウェイクラッチ専用では無く、ベアリング全てに使用可能でもある事は上記の通り。
画像は約1年2ヶ月使用した自分のカルカッタコンクエストDC 201HGのインナーカーラーです。
過去に何度も書いて来ましたが、他の製品テストも兼ねる為に常に海水状況下のみで酷使し、純正よりも根元に負荷の掛かる96mmのハンドルへカスタム、キャスト時に負荷の高いビッグベイトやビッグルアーを主にフルキャストにて使用して来た使用環境。
ワンウェイクラッチのニードルベアリングとペアとして常に接触している事でインナーカーラーには普通明確な線傷が出来たりしますが、この画像で確認出来る線傷は本当に僅かなレベルでヤキツキ痕もカジリ痕も全く一切無し。
これが1年2ヶ月毎週末に酷使して来たワンウェイクラッチの適正な潤滑と言う証です。
もちろん製品の検証や確認もあるのでマメにメンテナンスはしていますが、正直にワンウェイクラッチはバラす事なくCHIMERAオイルの注油だけです。
最近ではリールのメンテナンス工房などが非常に増えて来ましたが、世間のトレンドに流されて明確な検証を行わず良い悪いを判断出来ない場合もあるかと思います。
場合によってはワンウェイクラッチにグリスを極薄く使用した場合なども見受けられますが、この場合は粘性や変性の少ないシリコングリスなどの出来るだけ低粘度な物であれば使用可能かもしれません。
但しシリコングリスの場合だと重要な極圧性に関し必要以上の数値を得る事が出来ません。
なので複雑な形状と一定の機構を持つワンウェイクラッチには十分な油分を浸透させる事も重要であり、その事においても低粘度オイルが簡単な注油で済ませられると言う利点にも繋がります。
以前にも何処かでお伝えしましたが、メーカー純正のオイルやグリスを否定はしません。
但し、メーカー純正のオイルやグリスは種類や粘度が非常に大ざっぱです。
1000番のリールと5000番のリールと14000番のリールでは種類や粘度も異なるべきなところが、結構多く流用併用されていたりします。
この点を解決する為にメーカー純正よりも大きく幅を持たせた物がBOREDのMETHODオイル&グリスと言う事です。
画像は約1年2ヶ月使用した自分のカルカッタコンクエストDC 201HGのインナーカーラーです。
過去に何度も書いて来ましたが、他の製品テストも兼ねる為に常に海水状況下のみで酷使し、純正よりも根元に負荷の掛かる96mmのハンドルへカスタム、キャスト時に負荷の高いビッグベイトやビッグルアーを主にフルキャストにて使用して来た使用環境。
ワンウェイクラッチのニードルベアリングとペアとして常に接触している事でインナーカーラーには普通明確な線傷が出来たりしますが、この画像で確認出来る線傷は本当に僅かなレベルでヤキツキ痕もカジリ痕も全く一切無し。
これが1年2ヶ月毎週末に酷使して来たワンウェイクラッチの適正な潤滑と言う証です。
もちろん製品の検証や確認もあるのでマメにメンテナンスはしていますが、正直にワンウェイクラッチはバラす事なくCHIMERAオイルの注油だけです。
最近ではリールのメンテナンス工房などが非常に増えて来ましたが、世間のトレンドに流されて明確な検証を行わず良い悪いを判断出来ない場合もあるかと思います。
場合によってはワンウェイクラッチにグリスを極薄く使用した場合なども見受けられますが、この場合は粘性や変性の少ないシリコングリスなどの出来るだけ低粘度な物であれば使用可能かもしれません。
但しシリコングリスの場合だと重要な極圧性に関し必要以上の数値を得る事が出来ません。
なので複雑な形状と一定の機構を持つワンウェイクラッチには十分な油分を浸透させる事も重要であり、その事においても低粘度オイルが簡単な注油で済ませられると言う利点にも繋がります。
以前にも何処かでお伝えしましたが、メーカー純正のオイルやグリスを否定はしません。
但し、メーカー純正のオイルやグリスは種類や粘度が非常に大ざっぱです。
1000番のリールと5000番のリールと14000番のリールでは種類や粘度も異なるべきなところが、結構多く流用併用されていたりします。
この点を解決する為にメーカー純正よりも大きく幅を持たせた物がBOREDのMETHODオイル&グリスと言う事です。
タイトルの裏技は違ったな。
久しぶりに超長く語ってしまいましたが、昨日付けで在庫補充も完了しタップリ在庫ありますんで。
久しぶりに超長く語ってしまいましたが、昨日付けで在庫補充も完了しタップリ在庫ありますんで。
追記(塗布量について)
CHIMERAオイルに限らず使用量と言うか塗布量は常に十分な量を使用してください。
よく一滴でOKなんてのはハンドルノブやスプールベアリングなどの中でも特に極少なミニチュアベアリングのみに限る事です。
ワンウェイクラッチの場合はニードルベアリング1本毎に1滴?半滴?程度が推奨で、そしてインナーカーラーの内側にも薄く外側には1~2滴を全体に伸び広げる感じが理想です。
もちろん組み付けた後で目に見えて余分にはみ出した油分は綿棒などで拭き取ってください。
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