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2026年3月13日金曜日

記事。

最近SNSで見かけるフィッシングリールのギア素材について。
一般的にユーザーが言うところの強いや弱いと言う判断は、「長く使用する事が出来ているから」とか「違和感が出始めるのが遅いから」と言う実用強度の事になりますね。
これは一般的に普及している表現だと思いますので特にアゲアシを取るつもりはありません。
但し、ギアで使用している実用強度だけで判断して、他のパーツでも同じだと決めつけてはダメです。
なので一般的には強度と一言で表すのが実は間違いで正しくは剛性も同時に表す方が正解かもしれません。
強度とは硬度や引張強度などの機械的な要素を差し、同様に使われる剛性とは変形のし難さを差します。
つまり強度は「破壊し難い」剛性は「変形し難い」を示すと言う事。
さて、BOREDは2014年までのサイクルメカニック時代に旋盤、フライス盤、ボール盤など、金属を削ったり切ったり穴を開けたりする工作機械を使用して来ました。
もちろん溶かす方の溶接機も。
なのでどの金属が最も剛性に優れているか?についてはネットで得たコピペ情報ではなく、実際に様々な金属を加工して来た経験から明確に違いを把握しています。
金属の強度と剛性を主に表す際に硬度と言う基準がありまして、この硬度の数値が高ければ硬い金属になり、数値が低ければ軟らかい金属になります。
けれど実用上で言うと「硬いけど折れる」とか「軟らかいけど折れない」などでは安心して使用出来ない訳です。
それらのバランスが最も取れている金属と言えば鉄系の金属で間違いなく、正しくは鉄系の金属でも鋼を使用した合金の事を示します。
要するに日本刀です。
一般的には建物やボルトなどで使用される機械構造用炭素鋼、サイクルフレームなどで使用されるクロムモリブデン鋼、スパナなどの工具で使用されるモリブデンバナジウム鋼などがありまして、いずれもBOREDで旋盤を使い削って加工する機会も多かったのですが、これら鉄系の合金を加工する際は毎回「あ~嫌だ」と文句をたれていたもんです。
特に実用強度を上げる目的で熱処理されている事から、とにかく硬い上に削りカスが熱くなるわ、切削工具の刃がすぐダメになるわで。
例えばボルトの頭を削って特殊形状の低頭ボルトに加工するとか、フレームエンドにある溝を左右均一に削り広げるとか、特殊工具の六角外形を一回り小さく削るなど、そんな一般的なサイクルショップでは不可能な加工も行って来ましたし、実際に他のサイクルショップからの依頼も多く受けていました。
むしろそんなのばかり。
なので削ると言う事については毎日の様に何かしら削って来たもんです。
で、削っている際にも特徴に気が付く事として、例えば鉄系は全般的に削った際に出るカスが摩擦熱で熱くなる事で青く変色し繋がって出て来まして、ステンレスやチタン合金についても概ね同じ様な感じだけど少しモロい。
けれどリールのギアに使われるブラスこと黄銅こと真鍮は砂みたいな削りカスでして、同じくアルミやジュラルミンについてはカツオブシみないな短いカスになります。
これは硬度の違いもありますが、個々の靭性の違いが大きくて、その靭性とは粘り強さの事です。
さて、話を元に戻しますが、先ずフィッシングリールのメインギアやピニオンギアに使用される2大素材であるジュラルミンとブラスについてはどうなのか?
これ金属の総合的な強度で言えばジュラルミンの方が硬度も引張強度も高く強い金属で、けれど総合的に大きな差はない程度の数値なんですが、大きく違う点と言うのは靭性こと粘り強さにおいての数値と重量。
この靭性についてはブラスの方が優れていて、重量についてはジュラルミンの方が断然軽くなります。
上記の事から2つをまとめると、軽いのに硬いジュラルミンはカケに繋がる懸念があり、適度な硬さのブラスはネバリ強さはあるが重いと。
この2つを考えた上でフィッシングリールメーカーは適材適所でメインギアやピニオンギアの素材として採用していると言う事。
一般的にはセンシティブな感度重視ならジュラルミン、タフで剛性重視ならブラスと言う解釈は、使用する金属の強度や剛性からも見ても取れると言う事です。
あ、あと巷でジュラルミンはオイルやグリスが乾き易いと誤解が蔓延していますが全くの大ウソです。
金属の種類でオイルやグリスが乾燥?する事はありませんので、あくまでも金属に対しての馴染み(付着性)についてを乾燥と書いているんだと推測。
キチンとした日本語を使いましょうね。
ちなみにジュラルミンやブラスと言っても実用されている物は全てが合金でして、それぞれに何種類もバリエーションがあります。
あと誤解もある様ですが、ジュラルミンとはアルミです。
アルミはBORED的に1円玉アルミと呼んでいる純アルミの1000番の他に、3000番、4000番、5000番があって、これ以外にT4とかT6と呼ばれる熱処理が可能な2000番、6000番、7000番があり、中でも2000番と7000番に関してのみジュラルミンと呼ばれています。
BOREDのサイクルメカニック時代には2000番と7000番のジュラルミンと、実用強度の高い6000番を最も多く加工して来ました。
そしてブラスにおいてはCから始まる種類が存在していまして、一般的にはC2000番が世間一般でも良く目にするブラスで、C6000番はBORED的にコーリキと呼んでいた最強のブラスです。
BOREDのサイクルメカニック時代にはC6000番のコーリキを主に加工していましたが、試作や治具などで使用するのは削り易いC3000番のカイサクを使用して来ました。
恐らくフィッシングリールのメインギアやピニオンギアもC6000番のコーリキを使用しているかと思います。
そうでないと実用強度が得られませんので。
と、昔から金属と油の話になると長文化してしまう悪い癖がありまして、更には熱処理とか表面処理の話なんかも長文化してしまうのですが、まぁザックリと上記の件を把握しておけばアングラー的には上等でしょう。
最後に忘れてならないのは鉄系の合金は当然ながら、ジュラルミンもブラスも作動させるには油の存在が必要不可欠です。
油が無ければ摩擦が進行し変形や破損に繋がる上に、錆や酸化の防止効果がない点は言わずもがな。
宇宙なら空気が存在しないから錆は発生しませんが、地球上では空気が必ず存在しているので錆びます。
そして空気とは水です、小学校で習いましたね。
だからこそ地球にはBOREDのMETHOD製品が必要と言う事。
なんつって。

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