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2020年12月1日火曜日

記事。

昔ね、サイクルメカニックをメインにしていた時の話なんですが、2006年~2014年頃は完全予約制の工房スタイルで営業していたので一応BORED WORK SHOPと言うショップ形態で営業していました。
もちろんその頃から現在のBSLR前身に当たるBSLとか、LIGHT DUTYやTHICK HEAVY前身に当たるRTLとMPLなんてオイルも発売していました。
その時のお客さんは当然自分のローカルがメインでもあったのでBMXのストリートライダーだったり、もう一つのメインでもあったフィックスドのメッセンジャーだったりが多かったんです。
それらの間を埋める様に所謂ドメスティック系なアパレルの友人達からの依頼も多く、更に逆の本気系なプロ競輪選手とかロード選手なんかも来てくれていたんですが、一番印象に残っているのは愛知方面から来てくれたプロの競輪選手。
名前と階級は出せませんが、一ヶ月前位から予約を入れわざわざ輪行で自身の乗る競輪バイクを持って来てくれて、もう「失礼致しますっ!」とか「ゼヒお願い致しますっ!」みたいに話に対しての反応が全て軍隊形式w
初対面で「コイツ絶対ブリーフ履いてる」って、そんな印象の男臭い彼。
その彼に頼まれて彼の乗る車体のメンテナンスとホイール前後のチューニングをお願いされたんですが、翌日には愛知に帰りたいと言う事で翌日までに仕上げると約束したんです。
確か車体はSAMSONだったと思うのですが、非常に綺麗な車体だったのにボトムブラケットを開けたフレーム側の処理が雑。
フレームビルダーの仕事が雑って事では無くて、その車体を組んだメカニックの作業が雑って事です。
その辺りのクリーニングから始め、ボトムブラケットの研磨や芯出しも含めたチューニングを終えて、ホイールも触れ取りからハブの研磨とシャフトの研磨を終え、高精度なボールへの交換も全て完璧に仕上げました。
次の日に車体を受け取りに来た彼の顔は一生忘れませんてほどに、今にも土下座しそうな勢いで何度もお礼を言われ、そして何度もクランクを踏んで回転をチェックする度に「ニコニコ」と笑顔を浮かべているんです。
自分が「平均して200回転位しているから最高レベルの方だよ」って言うともう泣きそうになってw
そして応援の意味を込めて自分が「次はこれで勝てよ」って言うと、もう恥ずかしいくらい大きな声で「はいっ!」って。
でもこれは物理的にチューニングと言う作業を施してはいるんですが、作業した自分としてはそんな高次元な精度アップによる効果よりもBOREDでチューニングしたと言うキャプション効果?と言う意味でのメンタル的な効果の方に期待をしているのが本音だったんです。
つまり「これで勝てる!」って思って貰えれば決戦時に普段よりもパワーを絞り出せるんじゃないかって事です。
後日の話として彼は流石にプロなのでその辺りの事は重々承知の上で依頼してくれたとの事なんですが、それでも体力が限界を迎えたゴール直前でBOREDのチューニング効果により相手より10cm先に出る事が出来れば本望だと。
まぁその頃のBOREDはサイクル業界でブイブイ言わせてましたので。
今まさに競馬のテレビCMで同じ様な事を言っているのを見て思い出して上記を書いてみたんですが、結局人間が乗って操る物に関しては厳密に言うと毎日、毎時間、毎分、毎秒単位でなにかしら状態が異なる訳ですね。
それは恐らく気合とか感情とかメンタル的な事が常に変化しているからだと思うんです。
それを後押しする為に良いメカニックに頼むとか噂のオイルを試すとか神社へお参りする様な事と同じく、彼らのメンタルを極力ポジティブな方向へ向けてやるのもプロの仕事かもなって思いました。
なのでフィッシングで例えて同じように後押しするなら、METHODのオイルやグリスを使って仮に飛距離が1mしか伸びなかったとしても、もしソコに魚が居れば食わせられる訳です。
でもMETHODのオイルやグリスを使っていなくてソコへ到達出来なかったとすると?
ボウズですね。
つまり全ては可能性と想像力の話。
もちろんBOREDが過去にやって来たサイクルメカニックにおいても現在のMETHOD製品においても、全てが化学と物理なので数値で表す事が出来ると言う意味では事前と事後においてもキチンとした効果は実証出来るんですが、それにプラスアルファしてユーザーのメンタル部分に何かしら相乗すれば更に最高ですねって事。
なのでサイクルメカニックどころかメカニック業を廃止した現在においても、基本的には製品としてそんなメンタル効果も提供出来ればなって思っています。
だから買えって。

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