連日アナウンスしておりますMETHOD新製品SARATOGAグリスですが、早速色々と使用箇所についてのお問い合わせを頂いています。
では早速。
先ず、一番多いご質問はドラグワッシャーやゴムシール以外にメインギアやベアリングにも使えるのか?と言うもの。
これはあくまでもBOREDオフィシャルとしては推奨しませんが、使えない訳ではないと濁した言い方をしておきます。
とにかくシリコーンと言う材料は「油脂」ではなく「樹脂」と考えて貰えれば良いんですが、その違いとしては一般的な潤滑油こと「油脂」は金属に対して付着または吸着して化学変化を起こす事で金属表面を保護潤滑させる理屈なんです、けれどシリコーンは不活性につき単にくっ付いているいるだけであって化学変化を起こす事がない分ずっとそのまんまです。
これが一番の違いです。
つまりシリコーンは不活性である事がウリな訳でして、不活性とは化学変化を起こさないと解釈して貰って結構です。
またシリコーンは厳密には人間が作り上げた有機化合物となりますが、材料自体のシリカはガラスやセラミックなどの様に無機質となります。
なので実際に変化を起こすとすればシリコーンオイル分が揮発したりするだけ?の事で、一般的な油脂の様に色んな要素により酸化や乳化を起こす事が無いと言えば分かり易いかもしれません。
なので金属であるメインギアやベアリングに使えない事もないのですが、単にくっ付いているだけで摩擦とか回転などの運動が加わりグリスが失われてしまった後には何も残っていないから焼き付きます。
その辺りを考慮した上で自己責任でご使用する場合は敢えて否定はしません。
この様な性質だからこそ各社リールメーカー純正においてもドラググリス(シリコーングリス)は必ずラインナップされていて、ラインナップしない訳にはいかない存在だと言う事なんです。
逆に言えばギアグリスやベアリンググリスと呼ばれている「油脂」グリスは得意な用途や対象はあるにしても、別に金属であればどこにどう使っても基本的に問題は起きないはずです。
ま、各社リールメーカーは純正としてアフター用品も売るべきなので、ドラグ、ギア、ベアリングとシンプルにラインナップしているだけなんですが。
次に、続けて多いご質問は耐熱性や耐水性について、そんなに違うものなのか?と言うもの。
これは確実に違います。
証拠って言うかケミカル製品って化学なので数学的?化学的?にも違うはずと言い切れますし。
これまでMETHODではラインナップして来なかった経緯はありますが、それはシンプルに現在のMETHODウレア系グリスが非常に優れている事もあり、一般的なリチウム系グリスよりもワンランク上の存在となります。
けれど先日も長文でSARATOGAグリスの説明にも書いたとおり、例えばGTやマグロを狙う際に使用する14000番とか18000番のスピニングリールで使われるドラグワッシャーにおいてはドラグシステム自体が他のサイズとは異なる訳で、一般的に馴染みのある1000番だ2500番だ4000番だとは全く構造や強度が異なる訳です。
なのに同じグリスで良いのか?となりますよね。
で、実際にはMETHODのウレア系グリスにおいては-20度~+180度の使用温度範囲がある点で既に他社のドラググリスと同レベルの性能な訳ですが、上限である180度を超える様な連続した摩擦による発熱に対応させる為には更に上限を上げるしかない。
なので先ずはMETHODのウレア系グリスよりも更に60度も高い超高温域の240度まで対応させる耐熱性を実現したんです。
これなら市販他社のドラグ専用グリスと比べても余裕で勝っているから安心でしょ?と言う事。
そして耐水性については先にも書いたとおりシリコーンは不活性なので単にくっ付いているだけで水分と化学反応は起こしません。
同じくプラスティックやゴムに対しても同様となるので、防水の為に配置されたゴムシールやOリングなども侵す事が絶対になく、加えてDCリールの基盤など周辺のシーリングとしても使えますし、しかも水分と化学反応を起こさないと言う事は耐水性または撥水性を持っていると言う解釈にもなるんです。
水には馴染まないと言う事は言い換えれば反発すると言う解釈になるからです。
なので例えばリールボディの内側に薄くグリスやオイルを塗って防錆対策としている場合、この場合は後でメンテナンスする際に毎回グリスやオイルを脱脂洗浄する必要があり、また場合によっては油膜が酸化したり劣化したりする事があります。
けれどシリコーングリスなら不活性なので単にくっ付いているだけで、以後のメンテナンスの際にもパーツクリーナーなどで簡単に拭き取ってしまえば後には被膜なども残っていない訳ですし、上記に書いた様に耐水性と撥水性を持ち合わせている分子構造上から水分とは馴染まないので使用に適していると言えます。
但し、誤解の無い様に言っておきますと決して乳化しない訳ではありません。
乳化と言っても油脂の乳化とは少し違いますが、水とシリコーンをシツコク混ぜ合わせれば乳化を起こします。
それが原因でシリコーンが劣化する事はありますが、けれど一般的な上記用途であれば乳化は稀と考えて良いかと思います。
これが現時点で頂いているお問い合わせの大多数です。
もちろんそれ以外にもお問い合わせを頂いていますが、それらは発売日とか価格についての事なので話は別。
ナゼこんなに連日アナウンスしているかと言うと、なんせBOREDの22年の歴史の中で初のシリコーン素材を使用していると言う点と、メインターゲットがドラグだと言う事でMETHODでは初のドラググリスとも言える製品が誕生した訳です。
しかも想定用途は自分目線では無いGTやマグロやヒラマサやカンパチやクエなどの大型魚で活躍するスピニングリールやジギングリールだと言う事もあって、だからこそMETHODのスキルと提携業者のスキルを全開で他社には存在しないシリコーン100%ながら超高温域の240度以上を誇るシリコーングリスが完成したと言う点がなにより。
次回SARATOGA関連のアナウンスでは初回生産分の受注についてとなるはずですが、ザックリと12月のクリスマスまでには発売しますので正月休みにはゼヒ仕込みをお願いしますね。

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