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2021年5月19日水曜日

裏技。

25日に発売となるMETHODの新製品グリスOMEGA。
このOMEGAは既存のDELTA、ALPHA、THETAに続くウレア系グリスとしてラインナップされていますが、唯一これら既存の3製品とは異なる点として粘度抵抗を敢えて加え粘弾性と粘着性を大きく設けているところにあります。
既にBOREDのMETHOD製品ユーザーで先日廃盤となった過去製品のLDGとTHGの両グリスをご使用頂いていたユーザーはその純粋な後継と思われるかもしれません。
もちろん粘度としては超低粘度につき近い感触となりますが、粘性については上記の様に粘弾性と粘着性を他の3製品よりも非常に多い割合で配合しており、またその配合ベースとなる油分にはポリアルファオレフィン合成油をメインとし、一部添加剤との混合に精製鉱物油を使用しているセミシンセティックとなります。
この油分となるポリアルファオレフィン合成油をTHICK HEAVYオイルよりも更に大きく向上させた事で、グリスのベースとなる増ちょう剤で粘度変化を決定するのでは無く、またその配合においては一から生産した増ちょう剤よりも理想とする粘性への近道だったと言う事で、急遽生産したサンプルを廃棄してTHETAベースに変更した経緯があります。
ズバリこれが発売の遅れた理由です。
さて、良く勘違いと言うか混同してしまう点として、高粘度なグリスは粘性が高く低粘度なグリスは粘性が低いと思われるでしょうが、それも一般汎用のグリスにおいては正解とも言えます。
但し、BOREDのMETHODグリスにおいて特に現行のウレア系グリスについては、高粘度のDELTAグリスは逆に粘性が一番低く設定してあり、低粘度のTHETAグリスは逆に粘性を一番高く設定しています。
中粘度のALPHAグリスはその中間と言う事です。
METHODの示す粘性とは簡単に言えばネットリ感の事です。
この事は既に3製品をご使用のユーザーであればグリスを触った瞬間に理解出来る事かと思いますが、今回のOMEGAについても同様でTHETAよりも更に粘度を低くした分、逆に粘性を大きく持たせた事でグリスに適度な流動性を持たせています。
オイルは液体でありグリスは半固体であるのは常識ですが、このOMEGAグリスは半固形としてグリスの主成分である増ちょう剤を失う事無くグリスらしさを維持し、適度な流動性を得る為に粘弾性と粘着性を他の3グリスとは異なる比率で大きく飛躍させたグリスとなっています。
なのでサッパリとした感触ながら密度の高い厚さ?を求める場合にはDELTAグリスが最適となり、その逆にネットリとしたシツコイ感触ながら過去製品のLDGやTHGグリスよりも密度を維持したい超低粘度なグリスとしてOMEGAグリスを誕生させたと言う事です。
あ、ちなみに海外油脂メーカーのOMEGA社とは何も関係ありませんが、アチラは完全に鉱物油ベースだったはず。
なので例えばフィッシングリールのメインギア及びピニオンギアへ使用する場合、ヌルっとしたシルキーな巻き心地を得るなら低粘度で高粘性の方が適していて、レスポンスの良いキレを得るなら高粘度で低粘性の方が適しているとも言えます。
但し、これは各社ギアの材質、寸法、歯数、形状、精度などに依存する事と、使用量と言うか塗布量にも依存して来ますので、これが正解としてマニュアル化出来る事ではありません。
そして一番重要なのはDELTA、ALPHA、THETA、そしてOMEGA共に摩擦や荷重に対する極圧性は大きく異なる事が無く、全て同一用途として同じ対象物で使用出来ると言う点があります。
つまりDELTAを使っていて問題無かった摺動物がOMEGAに変えた途端に焼き付いたと言う様な事が無いに等しく、あくまでも配合している極圧添加剤の割合としては殆ど同一数値と言う事になります。
もちろん粘度や粘性により油膜強度は異なります。
それは仮に負荷を徐々に一定方向から受けた場合、一番負荷に耐える事が出来る油膜強度がDELTAであり、その逆に一番負荷に耐える事が出来ない油膜強度がOMEGAと言う事になりますが、これは純粋に粘度が関係している為に一応の捕捉要素としてOMEGAは低荷重向けとして表記しているだけの事です。
でも実際にトラウトやライトソルト専用と言う訳では無く、現にサンプルテストではシーバスを対象とし、更にヘビーウェイトのルアーをフルキャストして回収する事をシツコイ程に繰り返して来ましたので、あくまでも一応の目安として認識して頂ければ問題無いかと思います。
もちろんスピニングリールではシマノとダイワの両社でノーマルギアの3000番、マイクロモジュールギアでハイギアの4000番とノーマルギアでエクストラハイギアの4000番、マイクロモジュールギアでハイギアの200番ベイトリール、ノーマルギアでエクストラハイギアの70番ベイトリールとして決して低荷重では無い中荷重?として全て問題無くテストを完了しています。
上記の粘度と粘性の関係。
裏技と言う程ではありませんが意外と勘違いしているユーザーも多いかもしれませんので、改めて参考にした上で自身のメンテナンスにてお試し頂ければと思います。
またはMETHODお取り扱いDEALER各店へメンテナンスを依頼する際には基準として「サッパリ」なレスポンス重視か「ネットリ」なシルキー重視など、具体的なニュアンスが多く伝われば分かり易いかと思います。
一日中2ozや4ozのビッグベイトやヘビキャロをフルキャストしているリールにサッパリを重視した超高速回転は必要ありませんし、逆に超センシティブな0.1号以下のラインを使用するタックルにクイックさに乏しいネットリな重さは必要ありません。
シーンの細分化によりタックルやルアーが多岐に渡る現状こそ、使っていてストレスの無いセッティングを長く維持出来る事が最重要かと考えています。

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