BOREDをガレージメーカーとして設立した2003年、当初からベースオイルは化学合成油または合成油のみを使用した所謂シンセティックオイルとして、PTFEに代表されるフッ素、チタン、モリブデンなどの固形添加剤は一切使用せず、併せて安価で有害な塩素系添加剤も一切使用しない、基本的には高品質なシンセティックベースオイルと高品質な極圧添加剤こそがオイルの真髄として現在もコンセプトは変わらずに継続しています。
その後2008年辺りからサイクル用途のオイルとして圧倒的な支持を得た現BSLRオイルの初代バージョンとなるBLOODY SYNTHETIC LUBRICANTは、極圧数値として平均900kg、瞬間最大では1200kgと1tを超える瞬間極圧にも耐える油膜強度として大変好評を頂きました。そして更に何度かのマイナーチェンジを繰り返し、現在のBSLRオイルは特殊防錆被膜を生成するワックスの様なシツコサを持つオイルとして、マルチパーパスな用途と環境で使用出来るMETHODオイルの最高峰としています。
但し、2008年以降BOREDが求め続けた極圧性の数値においては一旦コンセプトを白紙に戻し、より現実的な極圧数値を求め過度なオーバースペックを追い求める事は止めてしまいました。
つまり競輪やロードなどにおける「チェーン離れ」と言う言葉の通り、油膜の強靭さを求めると粘度や添加剤が作用してレスポンスが悪くなる傾向が見受けられたと言う事でして。
それに瞬間最大1200kgの極圧数値は確実にサイクル、フィッシング、スケートボードなどのホビーユースにおいては不要と言うか無駄な数値でもあり、実際には400kg~600kgの極圧数値でさえもオーバースペックであるとの報告を得ました。
そうは言っても市販のホームセンターなどで売っている誰もが知る赤と白の数字が製品名なオイルなどは、極圧数値が100kg程度でありオイルとしての極圧性は現実的に無いに等しいレベルです。
あ、防錆性も。
そこで2015年からのMETHODオイルは全て無駄と言うか過度な極圧性を排除して、適正+アルファな極圧性を求めるに当りおよそ250kg~600kgの極圧性として製品毎に設計を見直しました。
過度に尖ったオイルでは無くユーザーが使用し易い粘度と特徴を求め、なるべくターゲットが重ならない様にバリエーション化する事が理想と考え現在に至っています。
例えば、ミニチュアベアリングの回転だけを執拗に求めるなら他社にも市販にもPTFEなどを配合した多数のオイルは存在していますし、それとは逆にブルドーザーやクレーンなどのキャタピラやワイヤーなどを機能させる為のオイルやグリスも同様に存在している訳で、これには塩素を配合すれば簡単に使用対象にする事が出来るでしょう。
でも、人体が直接触れたり自然を相手として使用するこれらホビーオイルに必要以上な過度の特性を得ても仕方無い上に、コマーシャル性を求めるが故に価格を度外視した「究極」を得ても仕方ないと考え、現在のMETHOD製品のラインナップとして実用性と耐久性を第一に考えたラインナップとしている訳です。
例えばBOREDがMETHODオイルとは別に塩素やPTFEを使用した超低粘度オイルを生産したとすると、凄まじい回転性や極圧性を両立させる事が出来るかもしれません。
でもそれをやる事は確実に有り得ないんです。
現状古くから付き合いのある提携業者での生産が出来なくなる可能性は将来的に訪れるかもしれませんが、その時が来てもオリジナルで納得出来るシンセティックのベースオイルを生産するルートもレシピもあり、コンセプトを曲げてまでも安易に他のコンセプトへ鞍替えするつもりは無いと言う事です。
その証として近日発売されるOMEGAグリス、そして現ラインナップのDELTAグリス、ALPHAグリス、THETAグリスはMETHODとして初のウレア系グリスとして新たな素材を使用した製品でもあり、コンセプトは崩さずとも十分納得出来る製品を新規で展開出来ている証拠でもあります。
つまり「継続は力なり」な証としてオイルやグリスにおける素材の熟知、新たな素材の試用など常にアップグレードやモデルチェンジを想定した研究は怠っていないと言う事で、それは付き合いのある提携業者においても同様です。
BOREDは当初サイクルユースを見込んだオイルやグリスからスタートしましたが、平行してパーソナルでは長年フィッシングでも使用して来た事は古くからのヘビーユーザーには承知の事です。
今やフィッシング業界においては後発メーカーが次から次へと現れて来るシーンとなりましたが、BOREDの強みは2003年から今も変わらずに継続してホビーユースを対象とし、強いコンセプトを持って常に進化する準備が整っていると言う事にあります。
なんつって。
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