CHIMERAの勧め。
BOREDのMETHODオイルとしては最新となる昨秋に登場したCHIMERAオイル。
比較的一般的な低粘度としてISO VG15と言う粘度はKRAKENオイル及びHYDRAオイルのVG7とGOLYATオイルのVG9に次いで低粘度となるフルエステルのオイルとなりますが、特筆すべき点はそのサッパリとした質感。
このCHIMERAオイルが推奨している用途として先ずはワンウェイベアリングへの使用があり、その他にもラインローラーやスプールベアリングなどに代表されるレスポンスが必要とされるベアリングへの使用を前提としています。
つまりサッパリとした質感から想像出来る様に粘度抵抗を極力無くしたオイルとしてキレが良くレスポンスの良いオイルとなっているからこそ、ワンウェイベアリングへの使用が推奨されると言う事です。
そしてこのCHIMERAオイルの特筆すべき点はもう一点あり、防錆性にも非常に優れたオイルとなっています。
この防錆性についてはアメリカのMIL-SPEC規格にある防錆性をターゲットとして、その数値をクリアした上で更に極圧性を向上させているオイルとなります。
防錆性と言えばBSLRオイルやHYDRAオイルがソルト対応として既にラインナップされていますが、これはCHIMERAオイルと根本的に防錆方法が異なり、つまりBSLRオイルとHYDRAオイルは目に見て分かる程に厚みを持った被膜が生成される事で水の侵入を防ぐ役割を担っている、分かり易く例えるとこの防錆被膜に潤滑性能も持ち合わせているワックスの様な手法を取っています。
まぁ実際のワックスには潤滑性能は持ち合わせていないので念の為。
それに対しCHIMERAオイルはあくまでも一般的なオイル手法として防錆添加剤を配合したオイルとなりますが、この防錆添加剤の種類が他のオイルに配合されている防錆添加剤とは異なる強力な物を使用していると言う事です。
もちろんKRAKENオイル、GOLYATオイル、LIGHT DUTYオイル、THICK HEAVYオイルにも僅かに防錆添加剤が配合されていますが、それらとは異なる強力な防錆性を持つ添加剤を高配合している点が他のMETHODオイルと比較して異なる点となっています。
ただしBSLRオイルやHYDRAオイルの様に目に見える厚みを持った被膜が生成されてしまうと、少なからず粘度抵抗となってしまう懸念もあり、これを回避する目的として油膜を極薄にする必要がありました。
本題となりますが、裏技と言う程ではないにしろ先ず本筋のワンウェイベアリングへ使用するに当り、先ずは既存のオイルやグリスをパーツクリーナーなどで完全に取り去ってください。
スプレー式のパーツクリーナーの場合は何度かスプレー噴射を利用して既存のオイルやグリスを吹き飛ばす要領で数回は行ってください。
その後自然乾燥させた後にCHIMERAオイルを塗布するのですが、まずはワンウェイベアリングの中にある円柱状のニードルベアリング部へグルっと一周CHIMERAオイルを塗布します。
その後綿棒などでニードルベアリングを回す様なイメージでオイルを馴染ませて行き、最後にもう一度グルっと一周CHIMERAオイルを塗布してください。
その後10分位放置していると余分なオイルが垂れてくるので、これをティッシュなどで拭き取ってやればボデイ側がOKです。
そしてシャフト側にはメタルカーラーが当然付くのですが、このメタルカーラーは全体をドライヤーなどで軽く温めておき、その外側にだけCHIMERAオイルを数滴程度と薄く塗布しておきます。
ドライヤーなどで暖める温度は40度程で問題ありませんので、お風呂のお湯をイメージして貰えればと思います。
その後は各部通常どおり組み付けて行くのですが、稀に塗布量が少なすぎると新品リールであっても「キュルキュル」とリーリング時に異音を発する場合があります。
これは芯が出ていない固体差が原因でもあるのですが、多くはオイルの油膜不足が影響しているので、上記の方法でシッカリと注油を行ってみてください。
一部で言われているグリスの使用や粘度の高いオイルの塗布ではニードルベアリングの動きを妨げてしまい、逆転の原因となってしまいますが、全く何も注油していない状態では確実に焼き付きの原因となるばかりではなく、ニードルベアリングとメタルカーラーの最悪?な組み合わせから摩耗が促進されてしまいますのでご注意を。
逆転、固着、焼付を防ぐ前兆として異音や前後上下方向にガタ付きを感じ始めたら、先ずは上記の方法でCHIMERAオイルを使ってメンテナンスして様子を確認してみてください。
PS:前提としてBORED STOREの製品ページ詳細https://bored.thebase.in/items/32904184をご確認の上でお問い合せください。余りにもビックリなお問い合せがありまして、全てBORED STOREの製品ページに書いてありますので。
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