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2025年7月24日木曜日

記事。

お勉強の時間です。
BORED STOREのMETHODオイル&グリス製品ページに記載している下記の文面について。
「他のMETHOD製品同様に最高級高品質な100%化学合成基油に拘り続け、環境や生物に有害となる塩素系材料や重金属材料は一切使用せず、テフロンやモリブデンなどの固形添加剤も一切使用していない配合成分はBORED METHOD DIVISION設立時からのポリシーとなります。」
これについてちゃんと説明しておきますね。
先ず、現在ホビー用途を含めた市販の潤滑油において、ベースオイルが鉱物油であろうが化学合成油であろうが、配合される添加剤の種類によってオイルの性格?味付?が大きく左右されます。
なので味噌汁で例えるとお湯の状態がベースオイルで、出汁や味噌が添加剤と言えばイメージし易いですかね。
その添加剤について現代においてはタブー視されている種類があって、それが上記文面に書かれている「塩素系材料」や「重金属材料」に当たります。
特に摩擦や荷重に対してディフェンスを行うBOREDが最重要視している添加剤で、油脂業界では主にFM剤(摩擦調整剤)やEP剤(極圧添加剤)と言います。
ではBOREDではナゼこの「塩素系材料」と「重金属材料」を一切使用しないのか?
このポリシーを明確にしておきます。
先ず、「塩素系材料」についてはその名の通り塩素を原材料とした古くから在る添加剤であり、その「塩素系材料」を使用した市販品として製品名をズバリ出す事は出来ませんがナ〇カ〇ブやベ〇ハ〇マーなどが有名かと思われます。
で、塩素については有害物質となるダイオキシンが関係する事もあり、正確に言えばダイオキシンは塩素化合物であって塩素が発熱や燃焼を起こした際に発生する物質が有害となります。
もちろんその濃度や種類により実質的に有害とはなり得ない場合もあるので上記の市販製品が該当すると言っている訳ではありませんが、世界的に見ると随分と前から「塩素なので使わない」と言うシンプルな方向となっていまして、今や潤滑油に配合される添加剤として塩素系材料は使用していない証?として「塩素フリー」表記が一つの安全目安ともなっています。
なのでBOREDでも使わないと言う事。
けれど材料としては非常に安価で優秀ではあります。
次に、「重金属材料」については一般的にモリブデンなど金属の微粒子を使用した添加剤が有名であり、けれどモリブデンに関して言えば市販でも多く見かける真っ黒なオイルやグリスに使われているのが二硫化モリブデンと言い、これはシンプルにモリブデン鋼を微粒子化させた固形物の金属粉となり、一方で有機モリブデンと言うのはモリブデンを化学的に有機化させた化合物となり固形物ではなく液体の添加剤です。
なので重金属材料とは固形物となる微細な金属の粉の事を言い、これは配合されているオイルが経年や揮発により徐々に油分が失われて来ると金属の粉だけが残る事になり、そうなると逆に金属同士が接触し易くなる事で摩耗を促進させてしまう恐れに繋がり、また金属の微粒子なので誤って吸引や摂取した場合には有害となります。
だからBOREDでは使わないと言う事。
けれど固形物なので単純に効果抜群で安価でもあります。
そんな理由からBOREDでは世界的に有害だと言われているならその濃度やら種類やら寿命やら色々と面倒な言い訳をせずに済ませたいと言う事で一切無使用としているんです。
一番説得力があるかなと思っています。
ならBOREDでは何を使用しているのか?
この上記「塩素系材料」と「重金属材料」に代わる材料として、リン酸や硫黄や有機モリブデンなどを用いた添加剤が存在していて、BOREDでは特に硫黄系を使用する事で「塩素フリー」を実現させています。
まぁ、難点としてはちょっと臭いと言う事と上記と比べると割と高価と言う点なんですけど。
重要な事として、主に趣味や遊戯の世界で使うホビー用途の潤滑油なのに、わざわざ有害が懸念される材料を進んで使用する意味も無いと考えていますし、世界中が「使わない」と謳っている材料を敢えて使う必要もないだろうと。
代替えがあるのだから。
ついでに他の固形物としてはテフロンに代表されるPTFEことフッ素化合物が有名ですが、これもまた固形物な上に非常に高価と言う事もあって以前からBORED的には門前払いです。
ですが、フッ素の良い点としてはハロゲン元素なので様々な金属と簡単に結び付き易く、反応速度が早い事から使用後すぐに効果が表れると言う点にあります。
これは魅力でもあるのですが別に絶対に必要な条件でもありませんし。
更についでに昨今ではカーボンナノチューブやセラミックなど新しい固形添加剤も登場していますが、やはりBOREDが使用しない理由としてはオイル中に分散させているだけで絶対に溶解する事が無く、オイルの油分が失われるとそれら固形物だけが残り続けてしまうと言う事であって、味噌汁を飲み終えたお椀の底に溜まる味噌のカス?みたいに溶けていないと言うイメージがズバリです。
その粒子がいくら微細だとは言っても結局は固形物ですからね、物理的に消えて無くなる訳ではありませんから最終的には汚れ化する。
と言う事でBOREDが22年継続して来たポリシーの説明でしたが、何を使うかは個人の自由であって強制されるものではありません。
けれど上記の理屈や正体を把握した上で使うのか?使わないのか?またフィッシングにしてもサイクリングにしても自然と接するアウトドアにおいて人間が直で使う事を前提に、本当にソレがベストなのか?その判断材料としての説明と言う事で基本は自己判断で。
ま、ビールとカフェイン好きなスモーカーの自分が言うのもなんですが。

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