先日はBOREDのMETHOD新製品予定SARATOGAグリスについてコダワリの内容を長文にてアナウンスしましたが、やはり忘れちゃいけない存在として現在のMETHODウレア系グリス5ラインナップの中でもオリジナルラインナップとなるDELTA、ALPHA、THETAについて改めて。
このウレア系グリスのオリジナルラインナップはこれまでBOREDの歴史の中でも初めて使用したウレア化合物を増稠剤としていまして、それまでは一般的なリチウム系グリスで幾つか製品展開して来たのですが、某材料業者を訪問した際に見せて貰ったサンプルグリスの性能に驚いた事で、これならウチでも使いたいと言う事で設計&開発をスタートしたんです。
そのテストとは水中に沈めたグリスを棒で攪拌しても性状が全然変わらなくて、しかも配合されている油分の離油が驚くほど少ないんで水面が油膜で虹色にならないほど。
水中でも性状を維持出来ると言う事はトンデモナくアベレージになるだろうと。
あ、紛らわしいけど形状じゃなくて性状ですよ、分解されたり溶解したりしないと言う事。
だから当時水中にDELTAグリスを完全に水没させて毎日チェックしながらその状態をブログだっけ?かにアップしていましたよね?
古くからのユーザーなら覚えているんじゃないでしょうか?
もちろんその画像でも水面に油膜の虹色は確認出来ず、逆に作業場のホコリやゴミが目立っていたほどです。
しかもちょうどBOREDが業務内容を変更した2015年から間もないと言う事もあって、これまでのサイクルユースではなく水辺で使用する前提のフィッシングユースにベクトルを変え始めていた時期でもあり、やはり水に対しての強度を上げて行きたい事は常に頭の中にあったんです。
で、最初は稠度2号で高粘度としたDELTAグリスを発売したのですが、これが非常に評判も良く更に粘度バリエーションも必要だなと言う事で稠度0号で低粘度のTHETAグリスと稠度1号で中粘度のALPHAグリスも続けて発売した訳です。
この時点で全く不満も妥協もが無いと言うのが自分にとっては珍しい事で、しかも狙い通りの粘度と粘性の違いも上手く出せたと言う点は現在も引き続き納得しています。
だから特に最初のウレア系グリスとしてラインナップしたDELTAグリスには思い入れがあります。
実際に困ったらDELTA。
さて、本題。
DELTAグリスは稠度2号の高粘度としていて実際の粘度は280。
JISで定められた稠度2号の基準は265~295なので正にド真ん中の粘度。
ALPHAグリスは稠度1号の中粘度としていて実際の粘度は325。
JISで定められた稠度1号の基準は310~340なのでこれまた正にド真ん中の粘度。
THETAグリスは稠度0号の低粘度としていて実際の粘度は365。
JISで定められた稠度0号の基準は355~385なのでド真ん中の370よりは極僅かに高めの粘度。
グリスは数値が大きくなると粘度が低くなるんですけど、これは一定条件においてテストピースがグリスに沈み込む深さで決まるんです。
要するに何ミリ沈み込んだかと言う事。
けれどグリスの稠度はあくまでも基準と言うか参考でして、その理由としては粘性などが加味されていないから。
粘性とはネチャネチャやベチョベチョなどの事です。
これが大きく影響するとUG SIGMAグリスやUG OMEGAグリスの様に元々の稠度は2号と0号なのに、粘性が非常に?異常に?高い事から実際にはJIS規格の同じ稠度よりも全然高粘度に感じる。
これをBOREDではオリジナル表記としてUG SIGMAグリスの稠度2号+とUG OMEGAグリスの稠度0号-としているんです。
紛らわしいのを避ける目的で。
そうでもしなきゃDELTAグリスとUG SIGMAグリスはJIS規格の上では同じ稠度2号のグリスになってしまうんで、どー考えても実際の感触は全然違う訳ですからおかしいでしょ?
しかも厄介な事にフィッシングリールで使うとなると巻感などのフィーリングに直結する訳ですから、稠度以外にも何か表記が無いとフィーリングの部分が上手く伝わらないんですね。
ま、これを油脂業界に問題提起しても余裕でスルーされるでしょうが、とにかくBOREDではそのフィーリングの部分を敢えてオリジナルで表してみたんです。
あ、参考までにJISで定められた稠度3号の基準は220~250なので、発売予定のSARATOGAグリスはシリコーングリスと言う事で材料や特性は違えども、実際の稠度は265に設定しているので上記の様に3号に限りなく近い2号と言う事。
話を元に戻します。
で、オリジナルラインナップとなるDELTA、ALPHA、THETAがいかに良く出来ているかを別の視点から褒めてみると、この2号~0号の稠度差があるにも関わらずザックリと摩擦や圧力に対しての耐久数値が殆ど同一と言う点が素晴らしいんです。
実際にはJISの高速四球融着試験だっけ?極圧試験ではないのですが、この試験において得られた数値は完全に同一なんですね。
だから昔からBOREDが何百回と言って来た様に粘度が高いから強い粘度が低いから弱いと言うのは素人の妄想であって、それは物理的な油膜の厚みなどは確かにその通りなんですが、油膜自体の耐久数値と言うか摩擦や摺動に対しての化学的な数値は余り変わりはないんですね。
物理的にも化学的にもとにかく強くしたければ同一材料なら高粘度の方が強くなりますが、グリスに含まれて常に供給し続けている油分自体に関しては余り関係ないよと言う事。
これまた例えるとMETHODオイル中で最も高粘度なTHICK HEAVYオイルと低粘度のLIGHT DUTYオイル、これ実際に低粘度のLIGHT DUTYオイルの方が摩擦や圧力に対する耐久数値が高いですからね。
ね?粘度だけじゃないんです。
もちろん使用している基油も添加剤も違うからなんですが、見た目としては高粘度なTHICK HEAVYオイルの方が強いと思うでしょ?
あくまでも全く同一の材料であれば高粘度の方が強いと言えますが、そうでなければ基油や添加剤などの違いにより全然変わって来ると。
また脱線しましたが、オリジナルラインナップとなるDELTA、ALPHA、THETAは粘度と粘性の違いは触れば誰もが分かる程に違いがある癖に、実際に金属全般を対象として使用した場合には摩擦や圧力に対しての耐久数値は殆ど差がないと言う事が素晴らしいと。
と言う事は使いたい場所の状況に応じて使い分けするのに適していますよね?
例えばメインギアとピニオンギアにはDELTA、カーボンドラグワッシャーにはALPHA、レベルワインダーのウォームシャフトにはTHETAみたいに、粘度や粘性で使い別けする一般的なセレクトの方法で良い訳で、配合されている基油や添加剤については完全同一の物が使用されている事から耐久数値は殆ど同じだとう事で安心出来ると。
もちろん上記の使用各所においては動作も違えば素材も違いますし、また水分や気温の影響を受け易い箇所など個々の条件が異なるので一定条件ではありませんが、でも使っているユーザーの安心感は間違いなく得られると思うんです。
あ、「ここTHETAだから弱いんだ」じゃないと言う事。
最後にもう一点。
上記に加えて使用温度範囲としておよそ-20度~+180度と言うリチウム系グリスでは到達出来ない広い使用温度範囲にも対応している事で、ギアやベアリングだけでなくドラグワッシャーとしても十分に機能する点も特筆したい点です。
だってアソコとかアソコのドラグ専用グリスと謳っている製品と変わらない使用温度範囲なんでね、別にいちいちドラグだけ専用として揃えなくても済む訳ですから。
さ、本日付で年内最終生産のMETHODウレア系グリス全5ラインナップの在庫補充生産が済む予定です。
次回は1月下旬まで生産はありませんので、ゼヒとも出来立てホヤホヤのMETHODウレア系グリスをご使用ください。
なんならDELTA、ALPHA、THETAは全部持っていても損は無いと思いますよ。
商売上手。
このウレア系グリスのオリジナルラインナップはこれまでBOREDの歴史の中でも初めて使用したウレア化合物を増稠剤としていまして、それまでは一般的なリチウム系グリスで幾つか製品展開して来たのですが、某材料業者を訪問した際に見せて貰ったサンプルグリスの性能に驚いた事で、これならウチでも使いたいと言う事で設計&開発をスタートしたんです。
そのテストとは水中に沈めたグリスを棒で攪拌しても性状が全然変わらなくて、しかも配合されている油分の離油が驚くほど少ないんで水面が油膜で虹色にならないほど。
水中でも性状を維持出来ると言う事はトンデモナくアベレージになるだろうと。
あ、紛らわしいけど形状じゃなくて性状ですよ、分解されたり溶解したりしないと言う事。
だから当時水中にDELTAグリスを完全に水没させて毎日チェックしながらその状態をブログだっけ?かにアップしていましたよね?
古くからのユーザーなら覚えているんじゃないでしょうか?
もちろんその画像でも水面に油膜の虹色は確認出来ず、逆に作業場のホコリやゴミが目立っていたほどです。
しかもちょうどBOREDが業務内容を変更した2015年から間もないと言う事もあって、これまでのサイクルユースではなく水辺で使用する前提のフィッシングユースにベクトルを変え始めていた時期でもあり、やはり水に対しての強度を上げて行きたい事は常に頭の中にあったんです。
で、最初は稠度2号で高粘度としたDELTAグリスを発売したのですが、これが非常に評判も良く更に粘度バリエーションも必要だなと言う事で稠度0号で低粘度のTHETAグリスと稠度1号で中粘度のALPHAグリスも続けて発売した訳です。
この時点で全く不満も妥協もが無いと言うのが自分にとっては珍しい事で、しかも狙い通りの粘度と粘性の違いも上手く出せたと言う点は現在も引き続き納得しています。
だから特に最初のウレア系グリスとしてラインナップしたDELTAグリスには思い入れがあります。
実際に困ったらDELTA。
さて、本題。
DELTAグリスは稠度2号の高粘度としていて実際の粘度は280。
JISで定められた稠度2号の基準は265~295なので正にド真ん中の粘度。
ALPHAグリスは稠度1号の中粘度としていて実際の粘度は325。
JISで定められた稠度1号の基準は310~340なのでこれまた正にド真ん中の粘度。
THETAグリスは稠度0号の低粘度としていて実際の粘度は365。
JISで定められた稠度0号の基準は355~385なのでド真ん中の370よりは極僅かに高めの粘度。
グリスは数値が大きくなると粘度が低くなるんですけど、これは一定条件においてテストピースがグリスに沈み込む深さで決まるんです。
要するに何ミリ沈み込んだかと言う事。
けれどグリスの稠度はあくまでも基準と言うか参考でして、その理由としては粘性などが加味されていないから。
粘性とはネチャネチャやベチョベチョなどの事です。
これが大きく影響するとUG SIGMAグリスやUG OMEGAグリスの様に元々の稠度は2号と0号なのに、粘性が非常に?異常に?高い事から実際にはJIS規格の同じ稠度よりも全然高粘度に感じる。
これをBOREDではオリジナル表記としてUG SIGMAグリスの稠度2号+とUG OMEGAグリスの稠度0号-としているんです。
紛らわしいのを避ける目的で。
そうでもしなきゃDELTAグリスとUG SIGMAグリスはJIS規格の上では同じ稠度2号のグリスになってしまうんで、どー考えても実際の感触は全然違う訳ですからおかしいでしょ?
しかも厄介な事にフィッシングリールで使うとなると巻感などのフィーリングに直結する訳ですから、稠度以外にも何か表記が無いとフィーリングの部分が上手く伝わらないんですね。
ま、これを油脂業界に問題提起しても余裕でスルーされるでしょうが、とにかくBOREDではそのフィーリングの部分を敢えてオリジナルで表してみたんです。
あ、参考までにJISで定められた稠度3号の基準は220~250なので、発売予定のSARATOGAグリスはシリコーングリスと言う事で材料や特性は違えども、実際の稠度は265に設定しているので上記の様に3号に限りなく近い2号と言う事。
話を元に戻します。
で、オリジナルラインナップとなるDELTA、ALPHA、THETAがいかに良く出来ているかを別の視点から褒めてみると、この2号~0号の稠度差があるにも関わらずザックリと摩擦や圧力に対しての耐久数値が殆ど同一と言う点が素晴らしいんです。
実際にはJISの高速四球融着試験だっけ?極圧試験ではないのですが、この試験において得られた数値は完全に同一なんですね。
だから昔からBOREDが何百回と言って来た様に粘度が高いから強い粘度が低いから弱いと言うのは素人の妄想であって、それは物理的な油膜の厚みなどは確かにその通りなんですが、油膜自体の耐久数値と言うか摩擦や摺動に対しての化学的な数値は余り変わりはないんですね。
物理的にも化学的にもとにかく強くしたければ同一材料なら高粘度の方が強くなりますが、グリスに含まれて常に供給し続けている油分自体に関しては余り関係ないよと言う事。
これまた例えるとMETHODオイル中で最も高粘度なTHICK HEAVYオイルと低粘度のLIGHT DUTYオイル、これ実際に低粘度のLIGHT DUTYオイルの方が摩擦や圧力に対する耐久数値が高いですからね。
ね?粘度だけじゃないんです。
もちろん使用している基油も添加剤も違うからなんですが、見た目としては高粘度なTHICK HEAVYオイルの方が強いと思うでしょ?
あくまでも全く同一の材料であれば高粘度の方が強いと言えますが、そうでなければ基油や添加剤などの違いにより全然変わって来ると。
また脱線しましたが、オリジナルラインナップとなるDELTA、ALPHA、THETAは粘度と粘性の違いは触れば誰もが分かる程に違いがある癖に、実際に金属全般を対象として使用した場合には摩擦や圧力に対しての耐久数値は殆ど差がないと言う事が素晴らしいと。
と言う事は使いたい場所の状況に応じて使い分けするのに適していますよね?
例えばメインギアとピニオンギアにはDELTA、カーボンドラグワッシャーにはALPHA、レベルワインダーのウォームシャフトにはTHETAみたいに、粘度や粘性で使い別けする一般的なセレクトの方法で良い訳で、配合されている基油や添加剤については完全同一の物が使用されている事から耐久数値は殆ど同じだとう事で安心出来ると。
もちろん上記の使用各所においては動作も違えば素材も違いますし、また水分や気温の影響を受け易い箇所など個々の条件が異なるので一定条件ではありませんが、でも使っているユーザーの安心感は間違いなく得られると思うんです。
あ、「ここTHETAだから弱いんだ」じゃないと言う事。
最後にもう一点。
上記に加えて使用温度範囲としておよそ-20度~+180度と言うリチウム系グリスでは到達出来ない広い使用温度範囲にも対応している事で、ギアやベアリングだけでなくドラグワッシャーとしても十分に機能する点も特筆したい点です。
だってアソコとかアソコのドラグ専用グリスと謳っている製品と変わらない使用温度範囲なんでね、別にいちいちドラグだけ専用として揃えなくても済む訳ですから。
さ、本日付で年内最終生産のMETHODウレア系グリス全5ラインナップの在庫補充生産が済む予定です。
次回は1月下旬まで生産はありませんので、ゼヒとも出来立てホヤホヤのMETHODウレア系グリスをご使用ください。
なんならDELTA、ALPHA、THETAは全部持っていても損は無いと思いますよ。
商売上手。
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