2025年11月18日火曜日

記事。

引き続きMETHODとVITALの在庫補充生産と同時に入荷&発送ラッシュも加わり異常に多忙なBOREDですが、シーバス界隈ではデカいのがボンボン上がっているタイミングなのでベイトリールのメンテナンスについて一点だけ。
ま、忙し過ぎて自分のリールをバラすのも面倒なので展開図を利用していますが、特にシマノのマイクロモジュールギアで良く言われている異音ことウィンウィン音について。
これハンドルを回し続けている最中ずっと同じ程度で鳴っている場合は、マイクロモジュールギアの特徴として捉えて貰って問題はありません。
こーゆーもんだと。
もちろん一旦分解してキチンと組み直すと改善する場合もありますが。
けれどハンドルを回している際にある一箇所に来ると鳴りが大きくなるとか違って聞こえると言う場合は話が別です。
これはマイクロモジュールギアだけの話では無いんですが。
このスポットでのウィンウィン音を「グリス切れ」と余りにも簡単に診断してしまう無知なメンテナンスショップが結構多くあるんですね。
これダメなメンテナンスショップの典型です。
シマノのマイクロモジュールギアはグリス切れが激しいから鳴ってしまうと。
だから新たに別のグリスを塗布し直しましたってキメツケ対応。
ホントにそうですか?
無知な癖にグリスのせいにするから頭に来る。
先ず、ナゼ一箇所に来ると鳴りが変化するのか?を考えればシンプルに偏芯しているからな訳です。
物理です。
そんな当然の事を知っていなければ自転車のホイールなんて組めませんから。
とは言え昨今の冷間鍛造技術で金属繊維まで綿密にコントロールしている素材を、しかも高精度なMCで切削しているので物理的にパーツの精度が悪くて偏芯している訳じゃない。
アッセンブルの問題です。
メインギアはドラグとストッパーギアと共にメインシャフトに刺さった状態でボディと接合していますよね?
これがプレートを介しボディにビス2個で止められている訳ですが、更にピニオンギアを経由してハンドルの回転と同調してスプールが回転すると。
これら接点の全てを疑うべきなんです。
なので偏芯していると言う事は上記のいずれかを組み込む際に「芯」が出ていない訳です。
もちろんスピニングリールだけの話じゃないんですよ。
ラジアルな方向にしか回転しないベイトリールだって同じ事です。
なので疑うべき箇所としては、画像の黄色丸の箇所。
上の小さな黄色丸2つに関してはビスを少し緩めてから一旦ボディを仮組みしてハンドルを回してみる。
そしたらボディを外して緩めたビスを慎重に少しづつ順番に締めて行く。
自分の経験上ではボディに大きな面積で止められた樹脂パーツである右の黄色丸だけで概ね改善しますが、左の黄色丸も片側だけのビスを締めてから反対側を締めたりすると当然プレートに歪みが出るので、あくまでも全てのビスは少しづつ順番に出来るだけ均一なトルクで締めてやる事。
そして下の大きな黄色丸はワッシャーやスペーサー類が多数使用されているのでワッシャーの向きや位置を再確認した上でココにもキチンとオイルやグリスを両面に薄く塗布しておく。
特にアールワッシャーは動きを伴うワッシャーなのでオイルやグリスで潤滑させる必要があります。
ココがキチンと平行に組まれていなければスタードラグを取り付けた後でメインシャフトにも負担が掛かるのは当然の事。
これを納得行くまで繰り返せば概ね異音は改善すると思うんですが、この状態で初めてグリスのセレクトを見直してみると更に良くなると思います。
また、メインギアとピニオンギアに使用するグリスはギアの谷間が埋まるほど大量に塗布するのではなく、筆などを使用して一つ一つの谷間に薄くグリスが付着されている程度を目安に塗布してください。
で、オスに塗布したならメスにも塗布してやるのもセオリーです。
今度はピニオンギアにも同様に薄く塗布し、ベアリングに刺さる先端部分にもキチンと均一に塗布する。
これで組付たらメインシャフトを回転させて軽く馴染ませてやる。
その際にピニオンヨークなどに余分なグリスが溜まると思うので、爪楊枝などを使って少し掬って取り去っておく。
こーゆー細かな作業を怠ると使用して行く内に無意味な箇所に溜まったグリスがヨゴレとなったり、更にそこへホコリなどが付着して悪循環になるんです。
そして最後に。
新品時から異音がしていた場合も同様です。
シマノもダイワもアブもリールの組付は機械ではなく人が手仕事で行っているので、当然ながら工場の作業員にも個人差が発生する訳ですし、そこにはノルマもあると想像されますので新品時の個体差に繋がる事は言わずもがな。
BOREDでは新たに導入したリールを直ぐに分解するのは業務上の儀式ではありますが、分解してみるとメインギアに塗布されたグリスが一箇所だけに塗布されていたりとか、ワッシャーの向きも箇所も枚数までも違っていたりとか、そんな事は沢山経験しています。
なのでこれこそ仕方ない事ではあります。
だって分解してみなけりゃ分からない事なんでね。
あくまでもリールは工業製品なので展開図を信用して組付を行うべきと考えていて、更に微調整を加えたい場合はシムなどを自身で入手して足したり引いたり。
そして物理的に動きを考えてみると言う事が大事。
やはり自身で分解&調整が出来ると愛着が湧きますし不具合の原因にも対応し易くなりますよ。
あ、オイルやグリスはBOREDのMETHOD製品で、今なら出来立てホヤホヤのMETHOD製品達です。

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